6#雄タヌキは狸寝入り

 タヌキのポクは『タヌキ寝入り』のまま、本当に寝てしまった。


 ・・・ここは、どこだ・・・?


 タヌキのポクは、何もない草原の真ん中で空を見上げていた。


 「ポクちゃん!」


 「ん?空からおいらを呼ぶ声が・・・?」


 あのオレンジ色の風船が、空から降りてきた。


 「あれ?あの風船、あの時以上にひとまわりもふたまわりも大きい・・・?」


 風船の紐には何かがぶら下がっていた。


 それは、あの雌ダヌキだった。




 「ポクちゃーん!」



「はぁーいーおいらはここだよお!」


 タヌキのポクは、上空の雌ダヌキに向かって前脚を降った


 かあー!かあー!かあー!かあー!


 その遥か上空でから、カラスが2羽。




 つん・・・!!




 カラス達は風船を嘴で突いた。



 ぱーん!



 「はぁっ!」


 タヌキのポクは、目覚めた。


 「うーん・・・夢の中までも、あのカラスが出てくるなんて・・・」


 ポクは、辺りを見回した。




 「かあー!!」




 タヌキのポクは攻撃してきたあの2羽のカラスが来るなり、ばっ!と身構えた。


 「何威嚇してんの?タヌキさん!一大事だ!」


 カラスのカーキチは、慌てた口調で言った。


 「何だよ!!」


 「見つかったんだよ!雌が!」



 ・・・えっ?カラスか・・・?


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