第10話 異世界の女神はみんな駄女神に決まってる!
「はぁぁぁ!つまり!俺が死んだのは!あんたのミスって事だよなぁ!!!!」
駄女神は俺の怒号を浴びてビクリとし、涙目になって反論した。
「うえええええーん、酷いですぅ!私だって、私だってわざとやったわけじゃないんですぅ。うえええええーん」
・・・・・・・いや、ちょっと待ってくれ。
そもそも異世界と現実をつなげる異能力を持っている時点で人間には処理できない、4次元連続体時空を操作できるわけじゃん、駄女神さんは。
つまり駄女神さんは時間も空間も超越しないと異世界転生以前に現実に介入できない訳ですよ。そんで肉体は無理だからー、とか言うけどさ、むしろ生前の意識=情報の保全のほうが難しいぜ。そんな時空を超越している女神さんがなんでアフォなのよ。あり得なくない?
分かってる。なんで女神が駄女神になるのか分かってる。要するに「神様にすべて仕組まれてる」感をなくすために「神様は無能」にするしかないわけよ。神が事態を全くコントロールしてない、主人公が事態をコントロールしてるって強調するためだって。それは分かってるって。
でもさ、俺、ピーター・ワッツの「巨星」を読んだわけですよ。そこで「AIが人類に取って代わられない為にあえてアフォに設定した」という設定を読んだわけですよ。
そこでビビビと来ましたわー。
あのですね、異世界と思わせつつ、実は世代宇宙船(スペースコロニーをそのまま宇宙船として使う)という設定ってどうですか。
悠久の大宇宙。ディープスペースにワープゲートを開設するために何万年もかけて目的地へと赴く世代宇宙船。船内環境の維持はAIで行っている。しかし、維持AIが反乱を起こさないために「駄女神」なAIにチューニングされている。
そして出発時の人間はバックアップとして「コールドスリープ」されていると。なので主人公には現実世界の記憶がある、と。
で世代宇宙船の乗組員は遺伝子プールで何度でも再生できる=教会で復活。
しかし世代宇宙船の内は不慮の事故で魔獣の跋扈する異世界となってしまった。この世界を是正できるのは「駄女神」AIでは不可能。コールドスリープしている人間しかありえないのだ。
なぜなら船の動力源と制御機構と直結してるナノマシンを操れるのはコールドスリープしている乗務員しかないのだから。そしてナノマシンの動作がまるで魔法のように見えるのだ。ナノマシンはカシミール効果によって空間からエネルギーを生成できるので。これがマナの正体だ・・・・
という裏設定で、最初は単なる異世界もの、という流れなんてどうかな<どうと言われても
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