都市伝説消去委員会

@Nanasinonasi

第1話

暗闇の中、僕はスマホを耳にあて誰かと話していた。ここは何処だろう見覚えの無い場所にいた。夢だろうか...

スマホから声が聞こえる

「あたし――今――」

よく聞こえない。

いつの間にか電話は切れていた。いきなり背後から足音がした。振り返ろうと思い後ろを見た。




……授業の終わりを告げるチャイムがなった。どうやら寝ていたらしい、教室は6時間目で疲れているからか、それとも春休みあけでまだ慣れていないのか、寝ている生徒がちらほら見える。

僕は自分の鞄を持ち、教室をあとにした

最近は暖かくなってきてとても気持ちがいい、こんな季節がずっと続けばいい、なんて思ってしまう。

「時雨!」

誰だろう? 僕の名前を覚えてる人なんて学年にいないと思っていたのでとても驚いた。

振り返って見たらうちの学校の制服を着た少年が立っていた。

確か小学校が一緒だった気がするが名前が思い出せない。ちょっと申し訳ないけど後で名前を聞こう。満面の笑みで彼は言う。「君、時雨だよね!」

彼は僕の目を見つめて言った。僕は彼から目をそらしながら言う。

「まぁそうだけど…... えっと、小学校同じだったよね? 名前は?」

彼はまた笑顔で言った。

「あれ?忘れちゃったのまっいっか俺の名前は村雲 蛍、思い出した?」

名前を聞いた瞬間ハッとした、小学校時代、僕が唯一関わった揉め事の加害者側だ。あの時のことはあまり覚えていない、だが厄介事だったのは確かだ。

「僕に何か用? 用がないんだったら話しかけないで」

人と関わるのは嫌いだ。さっさとこの会話も終わらせたい

「時雨を委員会に誘えって弥生さんが言ったんだ〜もしかして知らない?」

おかしい、委員会は全部決めたはずなのに。それに弥生って名前の先生もいない。

「その委員会って何委員会?」

村雲は僕が動揺するのを楽しんでるかのように言った。

「さぁ、呼んでこいって言われただけだから知らないよ、とにかく行こう!」

そう言うと村雲は笑顔で僕の腕を力強く掴み走った。訳も分からず腕を掴まれ驚く暇もなく走らされ不幸が連続して起こるとはこの事か。とにかく人と関わりたくない。僕は久しぶりに大きな声で言った

「放せ! 止まれ!」

すると突然、村雲は大きな古い木造建築の前で止まり言った。

「よし!着いたよ。弥生さんいるー?」

そう言いながら僕の腕を引っぱり扉を開け、家の中へ入る。腕を掴まれ逃げれないので仕方なく入る。勝手に入って大丈夫だろうか?

家の廊下を歩いていると綺麗な女の人が出てきた

「蛍連れてきてくれたのサンキュー!他の子達も集まってるから早く来てくれて助かるわ。委員会の説明するから早くこっちに」

「だってさ、早く行こう」

僕は弥生と呼ばれた女の人に会釈をした。

にしても綺麗な人だ、大学生ぐらいの年齢だろうか.....なんて呑気に考えてる場合ではない、僕はこのままだと強制的に委員会とやらに入れられるハメになる。

「ハイ到着!」

弥生さんが扉を開け言った。部屋に入ると、同年代だと思われる人達が、椅子に座っていた左には眼鏡をかけた不機嫌そうな少年が、分厚い辞書を読んでいて右にはオドオドした様子の少女と、僕達を見て笑顔で挨拶をした少女がいた。

弥生さんが皆を見渡してから言った

「今から、あなた達は都市伝説消去委員会よ!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

都市伝説消去委員会 @Nanasinonasi

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ