38~会議室、慌ただしく~・おまけスキット

~ターゲット変更?~


ランシッド『テラのターゲットが英雄達からメリーゼ達に変わってきた……?』

モカ「それってけっこーやばくない? あんま意識されてなかったからどうにかやれてたけどさあ」

パンキッド「そうともとれるが、違う風にもとれるよ」

トランシュ「今回みたいに君たちをおびき寄せるための餌に時空干渉を行うとしたら、すぐには実行されない……かもしれない」

ブオル「盤上でゲームを楽しむ感覚だとしたら、ありえる話だ」

グラッセ「時空干渉は邪魔者を始末した後の楽しみに、とかな。どのみちあちらは一度勝てば終わりのようなものだ」

リュナン「うぇ、悪趣味ぃ……」

モラセス「そんな奴にやられるなよ、お前たち」

モカ「ひいおじいちゃんってばプレッシャーきっつい!」

メリーゼ「やるしかありません。負ける訳にはいかないのは、どのみち変わりませんから」

パンキッド「ああ、同感だね!」



~聖依獣の長~


クローテ「聖依獣の長……隠れ里にいるというのは、母上から聞いていたが……」

メリーゼ「らぶりーもふもふむーちゃん、って言ってましたね……一体どんなもふもふ、いえ、どんな方なのでしょう……?」

パンキッド「メリーゼ、なんだいその何かをもふるような手つきは」

ガレ「それがしもまだ幼かったゆえうっすらとした記憶でござるが、見上げるような大きさで、まるで壁のような……」

クローテ「か、壁?」

モラセス「くく、幼子からすればあれは確かに毛の壁だな」

リュナン「モップが巨大化したらあんな感じかなー……って思いますね」

ブオル「俺より大きいのか?」

オグマ「もっともっと大きいですよ、ブオル殿」

クローテ「ブオル殿より遥かに大きい、巨大化したモップのような毛の壁……?」

パンキッド「そんなものが存在するのかい……?」

アングレーズ「聖依獣って言ってもいろいろいるのねぇ」

カカオ「み、みたいだな」



~英雄ミレニア~


モカ「ママ、元気にしてるかなあ……」

パンキッド「英雄だっていうけど、どんな人なんだい?」

ランシッド『ざっくりしてのほほんとした火力おばけ、かなあ』

ブオル「はい……?」

オグマ「旅をしていた時はほんの少女でしたが、類まれな魔術の才能がありました」

リュナン「いつもぐいぐいみんなを引っ張っていく、勢いのある子でしたねえ」

トランシュ「小さな体にすごいパワーを秘めた、ムードメーカーだよ」

パンキッド「へえ……」

トランシュ「あとはものすごいオジサマ好き、かな」

カカオ「オジサマって……」

アングレーズ「そこは遺伝なのね、モカちゃん」

トランシュ「まあ、だからデュランと結婚するとは思わなかったよね」

リュナン「今でこそ立派なオジサンですけどね」

オグマ「居心地が良かったんだろう、あのふたりの距離感が」

リュナン「そういうもんですかね」



~出待ち精霊~


ブオル「リュナンの後ろにずっと妙なのがいるなあと思ったら、大精霊だったのか」

荒ぶる地獣『みょ、妙なのとは失礼なんだゼ!』

ブオル「悪い悪い」

リュナン「やっぱ見間違いか何かだって思いますよね、これ……」

荒ぶる地獣『これとか言うな!』

ガトー「やけに静かだなとは思ったが、さっさと出てくりゃ良かったんじゃねえか?」

荒ぶる地獣『……から』

ガトー「あ?」

荒ぶる地獣『真面目な空気だったから出て来づらかったんだよ! シリアスな場面にこの見た目が合わないのはわかってるんだゼ!』

モカ「じ、自分で言っちゃった……」

リュナン「ほんと、いろいろと他人と思えない精霊さんだなあ」



~ムースとモラセス~


ガトー「毛玉爺に髭爺、か」

スタード「相変わらず、仲良しですね」

モラセス「ふん、誰がだ」

ムース『か、勘違いしないでよね! 別に仲良くなんかないんじゃからのーっ!』

モラセス「おいなんだそのキャラづけは」

リュナン「けど、こうやって聖依獣の隠れ里から声を飛ばしてくるの懐かしいですねえ。何年ぶりでしょう?」

ムース『んや、モラセスにはしょっちゅう送っとるよ?』

トランシュ「里の近況を、ですか?」

モラセス「それだけならまだ良かったが、やれ昨日の晩飯は何だっただの暇だから話し相手になれだの、渾身のギャグを思いついたから聞いてくれだの……」

リュナン「超仲良しじゃないですか!」

モラセス「構わないと拗ねるし超めんどくさいぞ」

ガトー「ふはっ、そりゃあおめえ……」

スタード「鏡をお持ちしましょうか?」

モラセス「ああ?」

スタード「ふふふ」



~ふたりの失敗~


リュナン「あーあ、せっかく出番きたのになんかあっさり終わっちゃいましたねー」

荒ぶる地獣『お前はまだいいんだゼ。俺なんかよお……』

オグマ「出番だの終わっただの、何の話だ?」

グラッセ「どうせまたくだらんことだろう」

リュナン「うるさいなー! 俺達には大事なことなの!」

荒ぶる地獣『ミステリアス仮面イケメンから素顔のイケオジになったような奴にはわからない悩みなんだゼ』

リュナン「くそう、ちょっと聞いただけで勝ち目のないスペックの高さ!」

オグマ「え、えーと……?」

モラセス「まああれだ、タイミングが悪かったな。あんな濃い毛玉爺が現れたら誰だって喰われる」

ムース『つまりイケメンをも凌駕するハイスペックむーちゃんじゃよ』

モラセス「どの口が言うか」

ムース『なんじゃあー!?』

荒ぶる地獣『……濃い爺さんはムースだけじゃないと思うんだゼ』

リュナン「これじゃあ、影も薄くなるよなあ……とほほ」

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