見えない話

keikei256

第1話 夢

砂利道を歩く。

自分が歩く音はしない。

ふと左を見ると池の上に一点を見つめるかのように不動明王の小さな石像が横を向いてまっすぐ前を見て立っている。

目の前には石で出来た階段がある。

階段を上るとお堂らしき建物がある。

中に入ると真向いには神社の祭壇らしきもの。右には阿弥陀如来像が安置されていた。

振り返り右に出て階段を上ると神社が見えた。

そこで目が覚めた。

男は夢を見てたのだ。なんとも不思議な夢だ。

この男…と言うよりか、実は筆者であるこの私である。

私は、以前にも不思議な夢を見たことがある。

それは、滝が流れる場所で不動明王が滝行をしている夢だ。

どうしても気になり、ふと出かけた場所が某県某市にあるN寺だった。

そこの寺にある境内には、大きな滝が流れており、そこの滝が全く同じ形状をしていたのだ。

因みにこの日も祭事だったようでまちなかはお祭り騒ぎだった。

またある時は、広い境内で祈りをしている自分がいる夢を見た時も…

これも某県某市にあるM寺だったこと。。

またある時は、狐の石像がいくつも夢で見えてその一週間後に大学時代の卒業旅行でまたふと出かけたのが某県F市。そこにある有名なF神社へ訪れたところも全く同じ場所があったのだ…

というようなことがここでは書ききれないほどの所謂『予知夢』というべきか、不思議な夢を見るのだ。

つまり見えない存在に『呼ばれる』のだ。

今回もまた『あぁ、呼ばれてるなぁ』と思った。

数日後、趣味が登山の私は、山にでも行こうかなと思ったが生憎その日の天気は『雨』。

私はふと神社にでも行ってみようと、ネットサーフィンで色々な神社を探した。

たまたま、ネットサーフィンで探していたら不思議な神社を見つける。

某県某市にある『O神社』と言われる神社。

この神社実は神仏習合の神社で沢山の神様が住まわれ、山を御神体にして祭られているというのである。

ご当地の天気は曇り。

私は『御朱印も貰えるだろうし、山もあるし、行ってみようかな?』

と行ってみることにした。

数日後…

某県某市にあるO神社前。

お祓社で参拝し入山。

右手には大きな昔天狗が住まわれていたとされる三本杉。

山門をくぐり、砂利道を歩く。

砂利道を歩くとあることに気がついた。

『これ、夢で見たのと同じだ』と。

左を見ると小さな池の上には不動明王の石像が一点を見つめるかのようにまっすぐ前を見て立っていた。

前には石で出来た階段。

階段を上がるとあのお堂があった。

真向いには『造化の三神』の神々を祭る祭壇。

右手には阿弥陀如来。

右に曲がり階段を上がると神社が…

やっぱり私は今回も『呼ばれていた』のだ。


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