第14話 君はどこにいるの?
6人目の女性は可愛らしい感じの女性だった。
権蔵が気に入るのも納得だ。名前は[
「僕は、ロックバンドが好きなんですよ。
僕は興奮気味で言った。
「私もレドエン好きです」
柚木さんが僕の話に食いついてきた。
「僕はボーカルの
僕は一方的に趣味の話しをし続けた。
「1人で盛り上がってどうするんじゃ。相手の話も聞かんかい!」
権蔵が怒っている。
7人目
僕が普通に(?)その女性と会話していると怒り出した。
女性E
「もっと気の利いたこと言えないの?」
権蔵
「女性は怒ると怖いのう……」
権蔵が怯えていた。僕はもっと怯えていた。
8人目
女性F
「友達の付き添いで来たんで……結婚はまだ……」
僕が何か言う前に断られた。
9人目
40代の大人しそうな女性だった。
名前は[
佐藤さん
「40代のおばちゃんだけど大丈夫?」
たちばな
「僕は年齢より性格で選びたいので」
+外見だけどね。心の中で言っていた。
佐藤さんとは普通に世間話をした。
10人目
皆藤さん
「皆藤みなみです。あっ一度お会いしてますよね。たちばなさん」
ニコニコとしながらブルーのワンピースを着たポニーテールの皆藤さんという女性が言った。
たちばな
「えっどこかでお会いしましたっけ?」
僕は思い出せなかった。
皆藤さん
「婚活飲み屋で……」
皆藤さんが困り気味に言った。
「お主が泥酔してた時に相席したおなごじゃ」
権蔵がさりげなく教えてくれた。
「僕が泥酔した時に相席した人ですね」
僕はあんまり覚えていなかったが権蔵のセリフをそのまま言った。
初めて役に立ったぞ。権蔵!
「以上で自己紹介タイム終了です」
第一印象カードをご記入ください。
あの司会者のお姉さんがマイクで言った。司会者のお姉さん若くて
結婚指輪してるから結婚してるのか…
「嫌な奴には
権蔵が笑いながら言う。ひどいな!!
「よかった人に
僕はコソッと権蔵に言った。
と言っても
3人マルをつけるのかあ…
ちゃんとお話出来た(?)のは丁度3人だな。
趣味の話で盛り上がった(?)柚木さん、
40歳で一番話しやすい佐藤さん、
最後に婚活飲み屋で一度会ってる皆藤さん、
僕的には柚木さんが一番タイプだな!
スタッフに第一印象カードを渡した。
今度はエレキギターを持った男性グループが歌っている。
さっきから僕が知っているような芸能人はいないから、アマチュアの方ばかり来ているのだろう。
~しばらくして~
女性の第一印象が書かれたカードを渡された。
僕は……あれっ見間違いかな?
1人も良いと言ってくれてない……
スタッフさん書き忘れたかな?
40代の佐藤さんとは普通に話したのにダメだった?
いやゼロなんてありえない……
もう一度見てみよう……
「何回見ても変わらんぞ!
権蔵がイライラしながら言う。
─ガビーン─
僕はショックを受けて固まってしまった…
「次はフリートークになります」
司会者のお姉さんが言う。名前は[
よし! 20代の柚木さんとフリートークをしよう!
僕は柚木さんを探したが、既にたくさんの男どもに囲まれていた。
よし! 皆藤さんと……
皆藤さんはベッタリと高梨先輩といて楽しくお話をしていた。
邪魔したら悪いな……
じゃあ、佐藤さんと……
30代後半男性2人と話をしていた。男性2人は佐藤さんを取り合う感じて火花を散らしていた。あそこには、入れないな。
桂は何してるんだろう?
桂はたくさんの女性に囲まれていた。
あいつ
やっぱり女性は顔と金か!
「やっかんでいるお主が1番
またまた珍しく正論を権蔵にぶつけられた。
─ガビーン─
そして、僕は何も出来ないままフリートークの時間が終わった。
「次はカップリングカードをお書き下さい」
司会者の内藤さんがマイクで言う。
今度はクラシックな音楽が聞こえてくる。
音楽隊は男女混合のグループが演奏してるなあ。
ふと入口の方を見ると、そこには社長がいた。
ドックンドックン
なぜか脈拍が早くなり心臓が高鳴る。
早くスタッフを呼んで退室しよう。
「彼女が近くにおる…この会場におる!
思い出した…彼女は[
権蔵が叫びだした。
なんだと?
この会場にいるだと?
どこだ?
どこなんだ?
さっき会った人の中にいるのか?
誰だ?
誰なんだ?
さっき僕が呼んだスタッフが来た。
「どうされましたか?」
スタッフの人が慌てている。
「具合が悪いので退室しても大丈夫ですか?」
僕はひそひそと言った。
「今退室されるとカップリング出来ませんがよろしいですか?」
スタッフの人もひそひそと言った。
さっきの結果から考えるとどうせ僕には誰もいれないだろう。
「はい。大丈夫です! 」
僕はそう言い、高鳴る心臓と激しい頭痛に耐えながら、裏口からこっそりと出た。
しばらく歩いて僕は倒れ込んでしまった。
「どうしたんですか? 大丈夫ですか? 立てますか? 」
誰かが必死に呼びかけている。
なぜだろう。すごく懐かしく温かい感じがする。
そこで、僕は意識を失ってしまった。
優しくて温かい……
あれからどれくらいの時間が経っただろうか?
僕が目を開けると知らない場所のソファに寝ており知らない女性がいた。
「はじめまして。たちばなさんですか? 目を覚まされてよかったです。具合は悪くありませんか? 」
女性が僕を質問攻めにした。
この人は誰だろう? 僕と同世代ぐらいの女性だ。黒髪の長髪でふわふわした髪の毛をしている。
「ありがとうございます。あなたは誰ですか? ここはどこですか? 」
僕はそう言って起き上がった。
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