第2話 俺の恐怖体験談
俺は高校一年の田中 愁戸。
・・・最近なにもする事がないから、俺の恐怖の体験談を話してやろう。
あれは、三年前の夏の夜だった。
同級生の尾崎 隼人と、西垣 武と学校に向かっていた。
肝試しをしよう。
そう考えた俺は、この二人を誘い学校に向かっていた。
学校と言っても、廃学校だ。
しかも、幽霊が出ると噂の学校だ。
「・・・なあ、やめないか?」と気弱な隼人が言ったが、武は「幽霊なんて出るわけないだろ。とっとと行って、とっとと帰ろうぜ。」と強気で返した。
俺は勿論平気だ・・・とは言えなかった。
なぜなら、俺が一番怖がりだからだ。
怖がりなのになぜ誘ったって?
それは、後輩に「怖がりかよ、ダッサw」と言われたからだ。
・・・ただそれだけだ。
自分が先輩という事を見せつけたかった俺は、心霊スポットで写真を撮り、後輩に見せてやろうと思ったのだろう。
俺は小さめのデジカメを手に持ち、カタカタと震わせている。
「おい、お前震えてないか?怖がりかよ。」
「な・・・ッ、怖くねぇよ。ほら、速く行くぞ!」
俺は先に進んだ。
途中、隼人の声が聞こえたが、無視して行った。
何分歩いただろうか。
かなりの早足で進んでいたため、二人を置いていってしまったらしい。
・・・・・まずい。
ホラー映画とかでは、ありがちなシーンだ。
「・・・速く戻らなきゃ。」
俺は引き返した。
・・・けれども、いつまでたっても、あの二人に会えない。
街灯も見当たらなくなった。
いつもならこの時間帯なら、ついているはずなのに。
――ニガサナイ――
「?!」
声が、かん高い声が聞こえた。
しかも、全方向から、反響しているように聞こえる。
――ニガサナイ――
声はだんだん大きく、速くなっていく。
――ニガサナイニガサナイニガサナイ――
俺は恐怖で立ちすくんでしまった。
カツン、カツン、カツン・・・・・
足音が前から聞こえる。
俺は恐怖でどうにかなりそうだった。
――ニガサナイニガサナイニガサナイニガサナイニガサナイニガサナイ――
「イヤだッッ!!!!!!」
俺は叫んだ。
残っていた全気力を出して。
すると、声が聞こえなくなった。
足音もない。
俺はほっとして、また、歩き出した。
歩いていると、街灯が光を取り戻しはじめ、世界が明るく感じた。
「おーい!愁戸ー!戻ってこーい!」
あいつの声だ。
俺は声に向かって走っていった。
・・・まあ、こんな感じだ。
いやぁ・・・高校生活で一番怖い出来事だったな・・・
怖かったか?
・・・怖くないか。
まあ、最終的にアイツの正体はわかんなかったしな。
・・・まあ、こんなもんだ。
じゃあな。
久しぶりに人間と話せて楽しかったよ。
・・・わかりましたか?
どこがおかしいか。
わかった人は凄いですね!
わからんって人はもう一度見てみましょう。
答えはこの下にあります。
見たい人は見てくださいね。
おかしかった所
[高校生活で一番怖い出来事だったな]
最初、愁戸くんは高校一年と言っていました。
この話は三年前の出来事です。
・・・わかりましたか?
三年前、つまり、中学一年の出来事のはずです。
愁戸くんは時が止まった状態ということになります。
・・・あの二人の同級生と最後出会えたとは言っていません。
この後の話は人によって多々あると思いますが、私の例は、
そのまま、同級生とは会えず、無限ループに陥った。という感じです。
最後まで見て頂きありがとうございました。
時々更新するので、よかったら見てくださいね。
怖い恐い話 (短編集) moritake @moritake
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