ごく当たり前な日常w 3
市川駅前 某通り
雲一つ無く、青い空が広がる天気の中を、とある高校生が歩いていた。
「はぁ……」
――気乗りしね~。
朝から溜息を付く彼、
――急に転勤何て、父さんも勝手だよな。
大仏は父親の仕事の関係により、急遽元々居た場所、新潟からこの千葉県にある市川市へ引越して来たのだ。
――ったく、何かあると直ぐに仕事だ仕事だっていい訳しやがって。
大仏は父親に怒りを覚えながら、まだ見慣れない市川駅前の街並みを眺めていた。
市川駅前の街並みを見ると同時に、自分の生まれ育った新潟の光景を思い出していた。
――生まれ育った場所から離れるってのは、中々辛いな、……だが。
彼は何も新潟を離れ、デメリットだけを考えていた訳では無く、いくつかメリットも考えていた。
「はぁ……」
――ディ〇ニー行きて~。
彼は大のディ〇ニーランド好きだった。
――毎回毎回行く度にに交通費が馬鹿に掛かってたが、此処からならそう掛かることはねーぜ!
大仏は年に何回かディ〇ニーに行き来する常連客だった。
そして大仏は毎回、『一人』でディ〇二ーに行っていた。
一人でディ〇ニーに行き、一人で乗り物に乗り、一人で買い物をし、一人で帰宅する。
そして、回りからの視線を気にしていた。
ボッチ、彼女無し、童貞など、様々な毒舌を影で吐かれているんじゃないかと、毎回自意識過剰になっていた。
そして、大仏はこの千葉への引越しをキッカケにある思いがあった。
彼女を作る。
性格が良くて、スタイルが良くて、何より美人の彼女を。
そんな彼女を作り、手を繋いでディ〇ニーを一緒に歩く。
最悪彼女じゃなくても、一緒にディ〇ニーに行って来れる女友達を作ろうと。
男友達ですら出来たことがない、年齢=ボッチな大仏は夢見ていた。
そもそも、何故大仏はこれまで友達が出来なかったのか。
それは自分の名前に原因があった。
――クソッ……この名前のせいで……。
大仏がトラウマである過去を振り返っている中、それは突然起こった。
「おわっ!?」
街中の通りの角を曲がろうとしたその時、大仏は何かにぶつかり、その場で尻もちを着いてしまった。
「いったた……」
――何かにぶつかったのか?それにしちゃ~何か妙に柔らかかったな?それに何かいい匂い……。
「すみません! あの、大丈夫ですか?」
大仏は顔を上げると、そこには。
「……仏?」
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