第23話 距離感

出来上がっているコミュニティ


誰も拒否はしていない


しかし、誰も歓迎はしていない


いつも通り入ればいい


遠巻きに眺めて


動きを掴んで


自分と気が合いそうな人と


少しづつ距離を縮め


少しづつ認知され


輪の中に溶け込めばいい


拒否はされていないんだから


誰でも入って平気なはず


クローズな集まりならば


入っていけない事くらいわかる


大丈夫、大丈夫


自分に言い聞かせ


今日の発言は受け入れられた


今日は場を白けさせた


今日は笑ってくれた


今日は呆れられた


自分を取り繕うわけではない


場に合わない発言なら慎むだけ


賛同しかねるなら


そっとその話題から身を引く


ただそれだけの事


だんだん居場所がなくなっていく


どんどん発言が出来なくなる


そんな時どうする?


親しき人に相談?


私って歓迎されてない?


敬遠されてる?







聞いてどうするの?


聞かれた方が素直に言う?


歓迎してない、敬遠してる


言うわけがないし


聞かれた人を困らせるだけ


あぁ、潮時?


入ってはいけない輪だった


フェードアウトはいつものこと


得意じゃん?


そうだね出ていくか


そのうち自分に合った場所がある?


そんな物は幻想


んじゃ自分で作っちゃう?


そこまでのカリスマがあると思ってるの?


さて旅支度


わかってたはずなのに


人と関わろうとするから


自分の立ち位置再確認するんだよ


よく足元見てごらん?


足の大きさしか地面は無いよ


半歩でも踏み出せば


落ちるのは奈落の底

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