第13話お弁当②

中学校1年生の体育祭はお昼になったら、母のもとに行った。

近所の人達も一緒にいて、母は大きいお弁当箱を開けた。

食べようとした私に、


母「お弁当渡したでしょ?」


私「えっ!渡されてないよ。」


母「朝、持っていったでしょ?覚えてないの?」


周りの視線が気になる。


私「渡されたかな?みてくる!」


立ち去ろうとした時に、近くにいた先輩が「はい。」唐揚げを差し出してくれた。


私は「教室にあるけど、1つだけ。」と言って貰って食べた。


母はまだ私の口に唐揚げが入ってるのに、急に写真を取り出して1枚撮った。


母に対して不信感でいっぱいだったが、

私は先輩にお礼を言って、教室に向かった。

鞄の中をみても、お弁当箱はない…。


やっぱり渡されてなかった。


そして小学校の運動会のお弁当の時間を思い出していた。


何で母はこんな事するのかな?


ガシャ!

担任の先生がお弁当を持って来た。


先生「はい。」


私「先生の分は?」


先生「あるから。」


私「本当に?半分にして食べる?」


先生「もう1個ある。」


私「ありがとう。一緒に食べよ!」


そう言って一緒に教室で食べた。


私「先生に酷い事したのに、何で優しくするの?」


先生「好きだから。」


そう言って頭を撫でてくれた。




中学2年生の体育祭の時は朝、お弁当箱を渡された。

何か軽い…。


お昼の時間に教室に行ってお弁当箱の中を開けてみた。


からっぽだった。


悲しい気持ちになった。



ガシャ!

担任の先生が来た。

「はい!」


私「もう食べたよ。」


それでも渡してきた。


私「ありがとう。」


そして教室で1人で食べた。


母は私の事が嫌いなの?

友達にいじめらるよりも正直辛かった。


中学3年生の体育祭の時はお昼になったら、すぐに教室に向かってお弁当箱を開けた。


中身が入ってる!

ご飯もおかずもある。


嬉しくて、走って友達の所に行って、一緒に食べた。


ただ、何で作ってくれる時とくれない時があるのか、分からなかった。


母は、優しい時と人が変わったみたいになる時がある。

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