第7話
気がつくと、私はそこにいる。
「………………」
その女は何も言わずに、私を見つめてくる。
足元には無数の死体が転がっている。黒い炭になったもの。あたまから脳みそのお花が咲いているもの。縄の首飾り。肉の傘立て。お腹から伸びる血色のマフラー。バラバラ。ぺしゃんこ。サイコロステーキ。挽き肉。関節の折れ曲がったお人形。
“私”は私たちの無残な姿を睥睨して、悲しげな顔をする。
「なぜ、そこまでするのですか」
時間は私の都合で止まってはくれないから、と私は言った。
「どうしようもないのですか」
どうしようもないんだよ、と私は泣いた。
「かわいそうなひと」
おまえもな、と私は苦笑した。
「コンテニュー、しますか?」
いや、もういい。
「もう、終わりにしよう」
ずいぶん長いこと下らない遊戯に付き合わせたね。
すまなかった。
そして、ありがとう。
そんなことを、私は言った。
“私”は微笑んで、
私もまた、微笑んだように思う。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます