1-IND1【第一章終了時点 人物&場所 説明】

・氷の大地


 人界を隔絶する北の巨大山脈を抜け、その先に広がる広大な氷の大地。

 どこまでも真っ白な景色が広がっている。

 当然気温はかなり低く、夜はコップに入れたお湯が即座に凍るほど寒い。



[ロン]


 主人公 、 語り部。


 モニカの中に目覚めた謎に満ちた意思。

 モニカの体を動かすことは”ほぼ”できないが、独自の思考を持ち強力な魔力調整能力を持つ。

 また、目覚めてからモニカに発生した全ての事を詳細記録として残しているが、直接記憶に残っているわけではなく、認識するには内容を確認する必要がある。

 その一方で、目覚める前の記憶は持っておらず、ただ漠然と”地球”の知識を持っているが、その内容の偏りから個人知識であること以外判っていない。

 ただその知識の内容や性癖や好みから、自分を”男”だと認識しているため、女であるモニカとの性乖離に悩むことも。

 趣味や好みはモニカとは大きく異なり、特に生臭いものが好きなモニカの味の好みに慣れるに苦労した。

 モニカの体には慣れたものの、依然として女体に対して性的な意識を持っている。

 だが、モニカとの連携が強化されるにつれ、そういった感情がモニカに与える影響を危惧するようになった。

 特に距離が近く頻繁に裸を目にするルシエラに慣れないことに密かに不安を募らせている。


 その正体はモニカに目覚めた王位スキル群”フランチェスカ”を管理維持する為の管理スキル”FMIS”の判断用人格で、巨大で複雑なスキル群の中で、大まかなスキル使用の方針を決定するのが主な役割である。

 また自動で細かなスキル調整を行う為のシステムの領域も、ロンの意志と共有しているがそちらを弄ることはできない。

 ただ、それとは別にカミルから得た”知識”としてスキル調整が可能であり、最近はそれを使って逐一モニカのスキルの状況を監視している。

 それと魔力調整が非常に高度で、どんなに複雑な操作であってもモニカが発動できることなら苦もなく、それも完璧な精度で調整できる。

 モニカとは独立した意識であるため、就寝中などモニカの意識がないときでも行動が可能。

 ただし全ての能力がモニカの体調から影響を受けるため性能は劣る。

 その構造上スキル以外の自発行動は調整以外ほぼ壊滅的であり、魔法の発動もモニカと無意識に連動することで擬似的に自発起動を行っている。

 



[モニカ・シリバ]


 主人公


 年齢 10歳(第一章終了時点)

 身長 137cm(第一章終了時点 序章冒頭時点131cm)


 髪色:クリーム色(黄色味がかった白) 

 瞳の色:黒 魔力傾向:黒

 肌は雪のように白く、全体的に薄っすらと筋肉質な体格、下半身は年齢の割にかなり鍛えられていてしっかりとしている。

 そのため見た目より体重は重い。


 ロンの宿主であり、最大のスキル”フランチェスカ”の保有者。

 極寒の大地に2体のゴーレム達とひっそりと暮らしていた謎の少女。

 住んでいたのは全長50m全幅30mの巨大な卵型の物体”王球”で、そこに3年前までは”父”を名乗る人物と、その人物が死んで以降は実質一人で暮らしている。

 ゴーレム達は意思の疎通はできるものの喋れないので会話は出来ない。

 そのため殆ど喋ることもなく無言のやり取りで生活していた。

 だが、”父”の遺言で本を読む時は必ず音読を行っているので発声には問題ない。

 さらに小さい頃に書き取りの練習もしていたので、基礎教養は相当歪ではあるものの、この世界の一般的な同世代より習熟している。

 好きな本は”王球”の本棚に置いてあった”マルクスの冒険”の絵本で、特にマルクスの相方のカシウスに憧れている。

 性格は基本的には甘えん坊で活動的、また少し投げやりなところがある。

 だが育った環境のせいか、一度本気で集中すると数日伏せったまま動かずにじっと獲物を待つ忍耐力もあり、いざという時には即座に感情を捨てて行動できる割り切りの良さがある。

 また極寒の氷の世界にかなり精通していて、危険な箇所や周囲の状況確認はお手の物。

 ロンと出会って以降は、ほぼ全ての魔力調整をロンに投げているが自分でも筋力強化や砲撃魔法はかなり高度に使える。

 ただし一般的な魔力操作については使ってこなかったせいで壊滅的で、ロンのアシスト無しで魔力変質を行うことは、”家”魔法などの一部の例外を除いてできない。

 また生まれてからずっと他人がいる状況がなかったために、人界に降りてから暫くの間は人が複数人集まっていると極度に緊張していた。

 水が張ってある中に入ることに本能的な恐怖があり、風呂などに浸かるのも最初は恐がっていた。

 本人も気づいていない習性として、他人を見るとその所作から何か学べるものはないかと注目して、一度それを見つけると、それを見ながら食事を摂るのが隠れた趣味である。

 それだけでなく、モニカの人を見る基準はその者から”どの程度”学べそうかに大きく左右されており、顔の造形や性格に関係なく、高度な技術を感じれば”カッコイイ”と感じる傾向にあり、そう思った相手の特徴を安易に真似たがったりする。

 また大型の獣を相手にしてきたので使えるエネルギーが多ければ多いほど、”強い”と感じるため、最近は人間相手ではそれが当てにならないことに若干の焦りを感じている。


 その正体はフランチェスカ計画によって作られた、カシウスの妻フランチェスカの複製品、第一章終了時点で王位スキル”フランチェスカ”の唯一の起動成功例。

 そのためその姿は幼い頃のフランチェスカの生き写しであるが、保有している魔力量及び魔力傾向の関係で目の黒さが遥かに濃い。

 またフランチェスカが生み出す膨大な魔力のおかげで保有している魔力の量はガブリエラと並び現在登場している中では最多。

 その魔力量とロンの魔力調整能力に物を言わせた強引な魔力使用で、他人であれば発想もしないような極悪な燃費の魔法やスキルを使う。


保有スキル:フランチェスカ  ランク:王位

 

 モニカが持つ巨大スキル群。

 モニカ自身が持つ膨大な量の魔力的な”疾患”を使える形にまとめたもので、その内訳は大量のごく簡単なスキルとそれを組み合わせた構成スキルである。

 正確にはスキルなのは基礎となっている簡単なスキルの方だけであるが、この世界一般的には目に見える形になる構成スキルや、スキル群そのものを”スキル”と呼ぶ傾向にある。


 構成スキル(劇中使用した中で主なもの)

  ・プリセットスキル

   FMIS  思考同調  緊急管理 ※制御魔力炉 ※魔力制圧 ※ゴーレム

  ・FMIS組成スキル

   解析  スキル複製  スキル化  飛行  魔力ロケット  砲撃  魔力制御  魔力調整  スキル調律  フロウ制御  ロケットキャノン  転送  槍作成  ※ゴーレム作成


[2体の守護者達]


 モニカを守り育てていた2体のカシウスのゴーレム。

 

[クーディ]


 主にモニカの身の回りの世話を行っていた人間サイズのゴーレム。

 主要感覚器である頭部はカシウス標準仕様だが、できるだけ相手に威圧感を与えないよう、丸みを帯びたデザインにつや消しの薄いイエローのパネルを装備した外観。

 非常に高度な知性を持ち、モニカの行動の数歩先を読んで行動できる。

 その立ち振る舞いから名前が判明するまでは”執事くん”と呼ばれるほどだったが、実は・・・

 モニカの身の回りの世話だけでなく、相方のコルディアーノの修理や王球の管理なども行っている。

 勇者ブレイブゴーレムと同じ基礎フレームを使用しており、そのため腕を変形させて魔力吸収を行うことが可能で、戦闘能力は無いものの力はかなり強い。


[コルディアーノ]


 モニカを守る巨大な守護者。

 身長は13m、その巨大な体躯で戦闘だけでなく力仕事もこなす。

 作られた経緯から常にモニカを守ることを前提に動いており、それが時としてコルディアーノの弱味になった。

 最大の特徴である戦闘能力は魔獣数体を同時に相手にしても大丈夫なほどで、完全に整備が行き届いている状態ならばBランク魔獣と渡り合える設計である。

 また、自分よりも大型の相手と戦うことが前提であるため大きさの割にフットワークが軽く標準的な巨人ジャイアントゴーレムと異なり拳を使って格闘で戦う。

 名前が判明しなかった頃はロンから”護衛くん”と呼ばれていた。

 

[モニカの父]


 思考同調の時に垣間見たモニカの記憶の中で、モニカから”父さん”と呼ばれていた人物。

 3年前に死亡しており、現在は王球の中の食卓に座りミイラとなってモニカを見守り続けている。

 高度なゴーレム技術者であり、最期までモニカのためにクーディとコルディアーノをアップデートし続けた。

 それだけでなく、ありあわせの材料で小屋やソリを組み立てたりと、手先は器用で王球の中の家具や生活雑貨はほぼ全て彼の手によるものである。

 さらにモニカにフロウを使った戦法や、生きるための術を教えたのも彼である。

 



[サイカリウス]


 モニカの家の周りに生息する超大型の猛獣。

 通常種でも尻尾を含めた体長が15mに達する個体も存在し、魔獣化した中には過去には全長100mに迫るほど巨大化した記録もある。

 特徴は巨大で非常に強力な後ろ足と、体長の半分を超える巨大な尻尾。

 特に巨大な尻尾は一目でそれとわかる特徴で、その中に大量の血液を保温しておくことで、極寒の環境下での瞬間的な俊敏性を確保している。

 その独特の立ち方とシルエットが大きなリスを想起させ、ロンからは”デカリス”と呼ばれていた。

 だが、リスとは関係がなく、種族的にはクマの変異種である。

 非常に長命で、高齢の個体はそれなりに頭が回りときに群れを作ることもあるが、基本的には単独行動で共食いも行う。


[魔獣サイカリウス]


 大型個体 全長20m

 超大型個体 全長30m


 モニカを襲った三体の魔獣化したサイカリウス。

 いつもは王球を直接狙っていたが、その度にコルディアーノに撃退されていた。

 しかし非常に学習能力が高く、コルディアーノが一定の領域の外に出られないことを悟ると、すぐにそれを利用して少しずつコルディアーノにダメージを蓄積させていった。

 非常に知能が高く、群れを作るだけでなく、それぞれが部隊を管理するなど高度な戦略を取ることもできる。


 3体とも人里に接近したことがないので、手配書も出ておらずランクも持たないが、もし発見されていた場合大型の2頭はEランク相当、超大型の1頭はCランク相当の危険度である。

 3体とも、覚醒したモニカとロンによって倒される。



[赤の精霊]


 氷のオアシスに宿る、赤の魔力の精霊。

 真っ赤な少女の姿をしている。 


 極寒の大地の中で赤の魔力が噴き出したことによって形成された”氷のオアシス”の守護者。

 モニカやその父がそこに野菜を取りに来る度に話しかけているが、ロンが目覚めるまでモニカが気づくことはなかった。

 上位精霊の多分に漏れず世界からの”保護”が働いており、認識すると己の実力にかかわらず”勝てない”と刷り込まれてしまう。

 少女の姿自体はモニカやモニカの父の記憶から作った仮の姿で、実際は実体がない。

 氷のオアシスを守護するために発生した存在だが、そこに生える野菜は管轄外であり、野放図に増えるそれらを少々疎ましく思っている。






 

【第一章】


・北の山脈


 人界の北の端に位置して壁のように立ちはだかる巨大な山脈。

 その為、”北壁”や”北の果て”などとも呼ばれる。

 低い山でも3000mを優に超え、最高地点は7000m級の巨大な山が連なっている。

 また山脈の厚みもかなりのもので、それらの山々を幾つも越えていかなければ山脈を越えることは出来ない。


[アントラム]



 極寒の地を住処にするクマの一種。

 非常に手足が長く、強力な筋肉でそれを動かして高速で移動する。

 サイカリウスよりは暖かい地域に住んでいるため、競合することは稀だが大型の個体などはもっと寒い地域まで足を伸ばすこともある。

 その場合、その地域までは比較的小型のサイカリウスしかやってこないため、直接対決では有利である。

 

[極北のバルジ]


 Cランクの魔獣で、付近の住民から畏れられている。

 非常に高齢の魔獣で大きく移動することもなかったため、その生涯において”敵”になりうる存在と出会うことがなかった。

 その為、力は非常に強力でも、危機感や戦闘センスといった物が皆無であり、力押しで勝ててしまったモニカの印象には全く残らず、直後に戦ったDランクのグルドで苦戦した印象が強いため、この時の対戦相手がCランクの極北のバルジであるとは微塵も思っていなかった。

 ただし、その長きに渡る生涯で好き勝手に獲物を食べてきたので、肉の目利きはなかなかで、モニカ曰く”グルメな無能”


[グルド]


 Dランク魔獣 手配署名は”アルバの森の死神”

 魔獣化したアントラムで、非常に頭がよく付近を活動するレンジャーが何人も被害にあっていた。

 その洞察力でモニカとロンの弱点を見つけ、徹底的にそこを突くことで善戦するも、リコの攻撃でできた隙をつかれて敗北する。

 



[リコ]


 主人公達が初めて出会った”他人”

 北部の集落の付近を回って、野生動物の分布などを調べる”レンジャー”の一員。

 最も北部まで移動する任務において、バルジの臭いを漂わせているモニカに気付いて近づいた。

 レンジャーは身を隠す魔道具であるマントを使用し、さらに並外れた知識と経験で巧みにその存在感を隠すことができ、モニカにすら気づかれずに近づくことができる。

 戦闘能力はあまりなく、小さな弓を備える程度である。


・シリバ村


 北部連合内でもほぼ最北に位置する集落の一つ。

 周囲を徘徊する巨大な獣から守るために、大きな塀を持ち、門へ向かう道もトンネル状になっており魔獣などが侵入できないようになっている。

 モニカの書類上の出身地。


[村長]


 シリバ村の村長を長年務める人物。

 狩猟をなりわいとする村の村長ということで、毛皮などの取引に聡い。

 村の長年の懸案であったグルドの討伐に恩を感じて、懸賞金だけでなく様々な手をつくしてくれた。

 モニカ・シリバと名乗らせたのは村長の考え。


[テオ]


 村長の息子で、シリバ村の顔役的な仕事をこなし、実質的に仕切っている。

 軽薄で女好きだが仕事はしっかりこなす。

 ちなみに周囲の集落をそこに住む女性の顔で認識している。


[ロメオ]


 氷や雪の地面が終わりソリでは進めなくなったことで、シリバ村で代わりに荷物運び要因として貰った”牛”

 体長は3mほどで、非常に耐久力があり積載性が高い。

 また本気で突進すると小型のアントラムですら撃退してしまえるほど強い。

 そして状況に慣れるのが早く、一度慣れてしまえば怖がらなくなる。

 魔力を餌にすることができ、足りない場合はそのへんの草を適宜食べている。

 モニカを”食の好み”として好きであり、彼女のために結構頑張る。

 ただし言うことはあまり聞かない。(薄っすらと聞く)

 ロンの声を聞ける数少ない存在。

 魔力が豊富なモニカが新たな主人になったことで、魔力は困らなくなったが、栄養バランスを取るために意識して草を食べるようになった。

 主人より温泉好き。鼻だけ出して全身を浸けて入る。



*国


 正式名称 シンクレステラマリッド・アデオ・フェステメッセ・ビートレイ神聖王国

 

 あまりに長いので国民ですら正式名称で覚えている人間はほとんどいない。

 そのために”国”と呼んだり、前の名前である”マグヌス”の方が通りが良い。

 面積が地球のアメリカを超える超大国で、隣のアルバレス連邦、トルバ諸国連合と大陸をほぼ3分する巨大国家。

 また魔力方面に秀で、早くから強力なスキル保有者を多数抱え、魔法士の教育機関を幾つも抱える魔法国家でもある。

 ちなみに正式名称の意味は”大地と海に囲まれた、神に祝福された大地”

 一見すると何でもない文章だが、実は結界神の祝福を地上にバラ撒いた聖王を崇める教会の力でもって成り立っていると名乗っている。

 この名前は、現王の即位に教会が大きく関わっていることが関係している。

 

*ミリエス村


 シリバを立ったモニカ達が次にやってきた北部の村。

 一般的にはここが最北の集落という認識で、それより北の集落の存在は地元の人でもない限り知らない。

 川に沿って出来た村で、川魚などが名物。

 僻地の村ではあるものの”結界”を整備しており、規模はそれなりに大きい。

 

*結界祭


 半年に一度、夏と冬の初め頃に行われる結界を張るための儀式。

 教会から派遣された司祭が、最初に結界魔法を作ったといわれる”聖王”に扮し住民たちから魔力を集めて結界を張り替える。

 またその際、聖王とその一行に扮した”聖王の行進”が行われる。


[リベリオ]


 結界祭の実行委員で、”兵位”スキル保有者。

 強力な黒の魔力を持つモニカを見て”黒の従者”役を依頼する。

 とはいっても抑えるだけでスキルとしては使えず、調整もあまり行っていないため暴走した”呪い”のせいでいつも暑い。

 その為、常に上半身が裸で大量の汗をかいている。

 本人は”ストーブのスキル”と強がっているが、内心では中途半端で使い物にならない自分のスキルに苛立ちを感じている。

 そしてそれを隠すように人一倍空元気を振りまいている。


[ラウラ]

 

 ミリエス村で出会った少女。

 結界祭における”聖王の行進”において”緑の従者”を務めた。


 髪の色は白 身長は150cm程度


 綠の魔力傾向を持っているが、モニカのようにハッキリとしたものではなく、見た目にも瞳の色に僅かに混じる程度。

 北部連合内にある魔法士学校”ルミオラ”の生徒で、モニカに最初に魔法を教えかつて初等部で使っていた教科書をくれた。


[ソニア]


 聖王の行進において赤の従者役を務める老婆。

 ベテランの魔法士でありその知識は豊富。

 歳のせいか近年はミリエスの村から出ないでいるが、一度気合が入れば誰よりも活発に動く。

 


[村長]


 ミリエス村を纏める村長。

 モニカが黒の従者役を引き受けるまでは黒の従者役をやっていたのは彼。

 しかし魔力傾向が黒なわけではなく、只の数合わせとして引き受けていた。

 そのため従者役には未練はなく、逆にモニカのお陰で開放されて喜んでいた。


 

*メンディ


 この世界に存在する教会と並ぶ宗教組織。

 聖王を崇める教会と対立するように聖王を邪王と呼び、彼の成した功績を認めない。

 これが過激派になると聖王の最大の功績である”結界”を破壊しようと各地で諍いを起こしている。

 それ故に魔獣などが闊歩する地域の住民からは毛嫌いされている。

 だが、魔獣の脅威が少ない都市部では信者の数も多い。



[槍使い]


 男 

 ミリエス村を襲ったメンディの中心的存在の1人。

 土を固めて槍を作り出す【槍作成】のスキル持ち。

 槍の性能と刃先の毒でもって主人公達を苦しめるが、ロンの【スキル複製】の力でスキルをコピーされあっけなく敗れる。

 彼の槍作成はコピーしたものよりも高性能で、作成した槍も巨大では先に毒がある。



[転送使い]


 女

 ミリエスを襲ったメンディの中心的存在の1人。

 一定以下の大きさの物体を別の空間に移動させる【転送】のスキルの使い手。

 このスキルで槍使いが作成した槍をその場でメンディのメンバーに配ることで、襲撃直前での武器の調達を可能にした。


 襲撃が失敗しミリエスの牢屋にて主人公達にスキルをコピーされる。

 なお彼女のスキルは主人公達がコピーした【転送】よりも高性能で、より大きなものを運ぶことが出来る。



[パトリシオ]


 ピスキア市外縁部の小さな教会の司祭。

 ミリエスには結界祭で聖王役を務めるために派遣されてきた。

 白髪の老人で、歳の割には若く見える。

 かなり強力な白の魔力の保有者で、その回復力は胸を貫かれても大丈夫なほど。

 本名は”パトリシオ・アイギス”。

 現在はとある理由からアイギスの姓は名乗っていない。

 若い頃はホーロン最大の貴族の当主として最前線で大戦争を戦い、カシウスに唯一土を付けるほどの大将軍だった。

 マグヌスへ併合後は特級戦力級である彼の力は強すぎるため教会に入り、一線から身を引く。

 ウルスラとフランチェスカの父。

 早くに妻と長女を亡くしているため、2人残ったウルスラとフランチェスカを溺愛していたが・・・・ 



[ローマン]


 パトリシオに仕える小間使い。

 影の中に出入りして隠れる能力を持つ。

 モニカの正体を最初に気づいたキャラであり、大体の秘密を知っている。

 自身を”カシウス・ロン・アイギスの最大の信奉者”と称し、その”復活”を望んでいる・・・

 またモニカの存在を認めて以降は活発に活動を繰り返している。


*ウルスラ計画


 17年前にガブリエラに発生した膨大な”呪い”を纏めるために行われたスキル組成計画。

 史上空前の規模で行われ、関わった調律師は数万ともいわれる。

 また多様な視点を必要としたため、募集をかけた範囲がとても広く、結果的にスキル組成技術が世界中に拡散するきっかけになる。


*北部連合


 超大国であるマグヌスの北部に位置する行政区分。

 また国のすぐ下の位置する行政区分ではあるが、その権限は限定的ではあるが国と並ぶほど自由度が高い。

 またその成り立ちから教会の領域という意識が強いため、自国内でありながら国の軍隊の行動は大きく制限される。

 行政長は”代表”と呼ばれ、北部連合を構成する行政区の長が持ち回りで兼任する。

 範囲はかつてマグヌスに併合された”ホーロン”のほぼ北半分。

 その為、行政区分としては破格の広さを誇るが、経済規模としては南部地域の同格の行政自治区に比べると平凡なものである。



・ピスキア


 モニカが最初に着いた”街”

 周囲を山に囲まれた湖の畔に広がる大きな都市である。

 ほぼ最北の街ではあるが、北部連合の実質的な首都として位置づけられているために、普通の街よりもかなり大きい。

 ただしその経済規模は人口が半分程度の南部の交易都市と互角でしかない。

 険しい北部の中で数少ない大きな街であるために、北部連合内のこの街に対する経済的依存度は非常に高い。

 東と南に広大な農地を持ち、その生産物が北部連合を支えていると言っても過言ではない。

 また北部の様々な行政サービスやインフラを集約しているために、中心部は近年大きく高層化が進んでおり、ピスキアの行政区外とは世代が違うといわれるほどの発展を遂げている。 

 もともとは温泉が売りの観光都市として発展してきた歴史があり、今でも温泉が観光の目玉である。

 ただしあまりにも有名であるために、市内の温泉は大衆化しており、かつて市内にやってきた富裕層は街の周囲の温泉街に移動するようになった。

 

 ピスキアの温泉はマグマの中の魔力が地表付近の地下水を温めることで発生する”魔力泉”で、熱交換は魔力のみにて行われていて火山活動はない。



[門番ゴーレム]


 行政区の中を自由に飛び回り、通行人の検問を行う巨大なゴーレム。

 様々な行政手続を行えるように巨大化しており、”空飛ぶ役所”という別名もある。

 個体によって直径100m~400mのバラつきがあり、田舎のような地域では行政サービスの出張が可能なように巨大化、街が沢山有るような地域では小さめの門番ゴーレムを大量に導入している。

 その大きさと神出鬼没さ故に初見の時は必ず腰を抜かすと言われる。

 比較的低空を高速で移動するように作られており、飛竜などが飛ぶ雲の上までは行けない。

 なお、門番ゴーレムというのは通称であり、正式名称は導入した自治体や持っている機能、与えられている役目によって変わり、単純に番号で呼ばれている個体もあれば、住民から公募で選ばれた名前を付けられているものもある。


*冒険者協会


 この世界で教会と並ぶ国際機関の一つ。

 各地で独自に活動する様々な人間の互助会として発展した。

 そのため会員は冒険者に限定されない。

 そもそも”冒険者”とはロンが訳に困って一番近いものを割り当てて訳しただけで、そういう職業があるわけでもない。

 世界中の国や組織から依頼を集約管理したり、利用者から出資を募り銀行業も行っている。

 基本的に討伐依頼や採取依頼などは全て各地の冒険者協会が管理している。

 そのせいもあってか、本物の役所以上に公的機関として住民からは親しまれている。

 また全ての国に対して中立であり、政治には原則関わらない。

 政治と経済を切り離すシステムとして機能しており、民衆の国政への無関心の遠因となっているが、同時にこのシステムがもたらす巨大な”経済圏”からの収入に多くの国が経済的に依存しているのも事実であるため、殆どの国の津々浦々までその関係の施設が存在する。

 


[ルシエラ・サンテェス]


 身長 177cm

 腰まで届く青い髪に、青い瞳


 全身を青の衣装でコーディネートしている。

 アクリラの高等部に通う14歳の少女。

 その年齢に似合わぬ背の高さと美貌が特徴で、幻想的な雰囲気と相まって多くの人の目を引くが、不気味なくらい大量の魔法陣にまみれているので、近寄れる度胸のある人は少ない。

 鎖骨の上あたりと、臀部の上方に小さな鱗がある。

 出身はクリステラの片田舎で、両親は普通の一般人で特に魔法に秀でた一族というわけではない。

 彼女自身も、保有する魔力は一般人とそう変わらないが、幼い頃からすぐにその”才能”の頭角を現し始め、アクリラへの留学を国費で行うことが許された。

 その原動力となったのが青の魔力の”加護”の芽である。

 彼女が持っている”加護”とは、魔力に愛されている者にのみ与えられる特権で、特定の条件下であれば魔力変質のコストが必要なくなり、さらに必要魔力も大幅に減少する。

 彼女はさらにその特徴を活かすために、大量の魔法陣でより大きな魔法陣を制御する”複合魔法陣”による巨大魔法を得意としている。

 現在使える複合魔法陣は4段階。



”加護”


 ルシエラが使えるのは正確には不完全な”加護”。

 世界に存在する特定の魔力に極限まで愛されることで、その恩恵を受ける。

 ただし、本当に僅かな他色の気配すら魔力が嫌うため、その力を本当に使いたければ全ての衣服を脱ぐ必要がある。

 

 発動時、全身が青く発光する。

 これは、全身の全ての生体魔力網を強力な魔力が流れるためである。

 ただしこれを使うと全身の魔力網が焼き切れ、その修復に一ヶ月ほどの時間を要し、その間魔力は全く使えない。




[ユリウス]


 全長 70m


 ルシエラが召喚する巨大な竜。

 その正体は6色の内、一つだけしか魔力傾向を持たない”純血の竜”の幼竜。

 この世界では生物非生物問わずわずかながらでも魔力を持っており、かなり特化していても全色の魔力を少しは持っている、しかし”純血の竜”は、精霊と並びその色以外の魔力は全く持たない。

 本当は2mちょっとしか無く山奥にひっそりと隠れ潜んでいる。

 召喚時の巨体はルシエラの召喚魔法によって現界した”未来のユリウス”の姿である。

 強力なブレスと、凄まじい防御力の鱗を全身に身に纏い、緊急システムによって半暴走状態となったモニカと正面から殴り合うことができた。

 Bランク上位からAランク下位の魔獣と一対一で張り合えるとされる。


*アルヴィン商会


 主に毛皮などを扱う商会。

 現在の商会長は3代目。

 シリバ村と独占契約を結んでおり、適正価格で買い取ることを条件に北部の村と取引を行っている。

 主人公達が持ち込んだサイカリウスの毛皮を買い取った。

 また、モニカがゴーレム技術者を探しているというシリバ村長の紹介状を見て、取引先の商会からゴーレム技術者を紹介してくれたが・・・


*食肉市場


 ピスキアの東側にある巨大な食肉加工所及びその取引市場。

 北部全体と取引を行う巨大市場であり多くの業者や狩人が利用している。

 またそこでの臨時の人足がピスキア市内の孤児たちの貴重な収入源になっている。


*奴隷市場


 ピスキア西区にある、”暗黒街”と呼ばれる区域の中央に位置する奴隷市場。

 各所から集められた奴隷たちの取引を行っている。

 本来は非合法ではあるが、法律と経済の隙間を縫って活動を行っている。

 暴走したモニカによって建物は倒壊。

 内部にいた奴隷組織の人間は壊滅した。


[ウバルト]

 

 黄色の魔力傾向


 北部連合警備隊のピスキア士部の警備隊長。

 北部全体でも数人しかいない”エリート”資格持ちで、ピスキア市の最大の戦力。

 その為、市民からの信頼は厚い

 ランベルトよりも実力は上とされる。

 

[アンジェロ]


 北部連合警備隊所属の官位スキル保有者。

 広範囲に渡って複数の人間に念話を送ることが出来る。

 その能力故に警備隊の中でも重要度は高く、彼の能力の限界は軍事機密として秘匿されている。

 そのため緊急時以外は本気でスキルを使うことは止められている。



[北部連合代表]


 北部連合の代表を務める、老齢の人物。

 元々はアイギス家に名を連ねる北部の名士ではあったが、アイギス崩壊と同時にアイギス姓は失った。

 しかしその余波をもろに受けた中央のアイギス本家の面々と違い、地盤が北部連合内に留まっていたために、大きな影響を受けずに逆に大きな権力を握るに至った。


 北部連合は特殊な行政組織であり、代表は連合内の行政区の中から投票で選ばれる。


[ピスキア市長]


 蹴れば転がっていきそうな背の小さな丸い男。

 小うるさく代表などからは煙たがられているが、人望は厚く、庶民の暮らしと義理と人情を大切にする庶民派。

 貴族の出身ではないことも相まって市民からの人気はかなり高い。



[ピスキア行政区長]


 ピスキア行政区の区長、と書いているが市長と同一人物である。

 行政区長は基本的には市長とは異なる役職であるが、ピスキアのような行政区内に市域が一つしかなく、なおかつその依存度が高い行政区では行政区長を市長が兼任していることも多い。


・カラ地区


 ピスキア市の東部にある”地区”の一つ。

 風光明媚な街並みが残り、急速に開発が進む市内の喧騒を嫌った富裕層が多く集まる高級温泉街である。

 そのため宿泊費は安宿でも市内の数倍に達するが、その代わり宿のグレードは高い。


*駆け出し三人組


 主人公たちがピスキア市からカラ地区に向かう時に出会った、駆け出しの冒険者の3人組。

 討伐遠征の時期に遠征に参加せずに大物を狙ったが、モニカの接近に反応した”姉妹達”の放つ魔力によって活性化したジグリス・ガルフの群れに襲われる


[カミル・ストラーサ]


 カラ地区の東の農場で出会った、スキル調律師。

 元々は軍人でスキル組成の第一人者として、マグヌスでのスキル組成の発展に大きく貢献した。

 スキル調律師を目指したキッカケは妹をスキルの”力”で失ったから。

 自身も官位スキル保有者であり、かなり苦しんだ。

 また、フランチェスカ計画のスキル管理の責任者であり、実際に一番多く”被験者”に接触した彼は、未だにその時にトラウマに悩んでいる。

 だが、モニカ個人についての記憶はなく、彼が関わったモニカの姉妹たちは全員が死亡してカラ地区の協会の地下墓地に眠っている。


[ランベルト・アオハ]


 フランチェスカの実地調査を担当した、国防局の極秘調査官。

 アオハ公爵の家系に連なる、アオハ男爵の次男でアクリラ卒業生であり、”エリート”資格持ちのかなり実力のある魔法士。

 その実力と経験で主人公達を圧倒するも、思考同調によって起動した制御魔力炉の力で消滅した。


[姉妹たち]


 フランチェスカ計画によって作られたモニカの”姉”達。

 ただし全員が幼いころに王位スキルの不安定な”力”の暴走によって命を落とした。

 現在はカラ地区の地下墓地に眠っている。



*フランチェスカ計画


 王位スキル:フランチェスカ組成のための計画。

 モニカを含めフランチェスカのコピー達は皆、この計画で作成された。

 その情報は極秘として秘匿され、国の機関であっても基本的には知られていない。


[カシウス・ロン・アイギス]


 モニカの憧れの人にして、アイギス家の元当主。

 史上最高のゴーレムマスターにして、人工知能及び人工生命の専門家でもある。

 幼い頃から魔力の扱いに対して破格の能力を誇り、非常に高度な理解と、ゴーレムに対する”変態的”とも呼べる情熱で、ゴーレム機械の歴史を200年進めたといわれる天才。

 彼のゴーレムは非常に高度な自己判断能力を持ち、組織だった運用で”命なき軍団”として個であり軍としての能力を備えた特別戦力とされた。

 また彼自身もかなり強く、ゴーレムなしでもAランク魔獣と殴り合いを繰り広げられるといわれたほど身体強化系の魔法が得意だった。

 ゴーレム素材の一つである”フロウ”を用いた戦闘法が代名詞となっており、モニカの登場までは世間的には唯一フロウをゴーレム以外の用途に使用していた。

 事実上のお見合いの場で、結婚相手の第一候補だったフランチェスカ・アイギスに一目惚れをする。


 現在何らかの理由により国から”禁忌”の指定を受け、追放されている。 


[マルクス・アオハ]


 マルクス家現当主にして国防局長官であり、現在の”マグヌス”において最高戦力とされる人物。

 カシウスとは幼いころからの親友であるが・・・・

 スキルのランクは軍位であるが、単体の威力としてはガブリエラのウルスラを凌ぐとされるほど強力。

 若い頃は明るい性格で誰とでもすぐに打ち解け、また豪商の息子であるため有名人の情報についてかなり詳しく、平民出身だが貴族の作法などにも詳しい。

 自らのスキルの整備のために家に多大な出費をさせたために、自分の命に責任を強く感じている。

 アオハ公爵家には婿養子として入っているため、他のアオハ一族との仲は微妙である。


[フランチェスカ・アイギス]


 パトリシオ・アイギスの次女。

 ウルスラの双子の姉で、モニカの”モデル”

 そのためその姿はモニカが成長した姿と瓜二つである。

 本人に発現こそしなかったが、王位スキルになる可能性を秘めていた。

 それでも将位スキル保有者で、実力としてはエリート資格もちの魔法士よりも強い。

 カシウスに一目惚れされる。

 ウルスラとの見た目の違いは目の色、フランチェスカは黒い。

 性格はウルスラと比較して少し大人しめだが、実は結構な行動派。



[ウルスラ・アイギス]


 パトリシオ・アイギスの3女。

 フランチェスカの双子の妹で、ガブリエラの母。

 本人に発現こそしなかったが、王位スキルになる可能性を秘めていた。

 それでも将位スキル保有者で、実力としてはエリート資格もちの魔法士よりも強い。

 現王の第二夫人で、彼女の子供たちは全員がかなり強力なスキル保有者で、王位スキルの”素因”はガブリエラに遺伝した。

 フランチェスカと比べ自由奔放で活動的であるが、年齢を重ねるに連れ思慮深くなっていった。

 命をかけてガブリエラを出産し、帰らぬ人になった。


[ガブリエラ]


 

 金髪 身長171cm

 王女

 スキルの練習として純金のように輝く金髪を編んでいるので、かなり凝った髪型をしている。

 基本的に唯我独尊で、突然キレて癇癪をぶつける。

 ただし自らの力を自覚しているので、感情では決して人は傷つけない。(人のものは平気で壊すが)

 ウルスラ王妃の3人目の娘。

 そして唯一発現した力が王位にまで達した王女。

 その力ゆえ生まれると同時に母の命を奪った。

 また家族の中で唯一の巨乳ということもあってか、疎外感を強く感じている。


 

保有スキル:ウルスラ


 公にされている唯一の王位スキル。

 膨大な魔力を生み出し、比類なき強力な力を持つが、フランチェスカに比べて制御が難しく、専属の技師が常に管理している。



[ヘルガ]


 ガブリエラの臣下で、友人の少女。

 強大な力を持つガブリエラの制御役として、幼い頃からの付き合いがある。

 自身も学年トップを取るほどの秀才。



・アレス高地


 緑豊かな草が生い茂る、広大な高原。

 草がとても苦く、動物は少ない。


*カシウスの置き土産


 カシウスが残していったゴーレム達の一部。

 軍隊化されていたが、使い方が分からず放置されていた。

 ローマンの陰謀にてジーンの存在が明るみに出たことにより、使用が検討され代替戦力としてフランチェスカ討伐作戦へ投入された。



[ジーン]


 通称:黒舌のジーン

 顔の半分に謎の幾何学模様を彫り込んだ女性。

 本名はマリオン・デュポン。


 仲間のウェイドとグレイト一緒に、暗殺家業を営んでいた女暗殺者。

 スキルの力を使って主に依頼の調整や、目標の調査、作戦の决定と支援を行う。

 彼女自身に戦闘能力は殆ど無い。

 官位スキル保有者で、そのせいで幼少期は家族から酷い目にあった。

 スキルは特化型の単一スキルで、どのような言葉でも理解し話すことが出来る。

 ただしその力は制御ができず、好きな言葉を選んで話すことは出来ない。

 また自動的に変換されるので、何の言語かなどもわからない。

 その特性上、嘘や暗号の類であっても問題なく理解でき、音声を使って会話を行う動物などとも会話できる(内容は言語自体の複雑性や相手の能力にも依存するので、カラスや犬などを相手に高度な会話ができるわけではない)。

 その能力に目をつけられ、カシウスのゴーレムの運営上の調整役として抜擢された。

 その力で仲間2人の本名は知っているが、二人とも偽名の方で自分を認識しており、ジーンもそちらで認識しているため大きな問題にはなっていない。



[ウェイド]


 本名はヘロニモ。

 ジーンと一緒に暗殺家業を行っている、筋肉剣士。

 強力な筋肉と、巧みな筋力強化で瞬間的な攻撃力が非常に高く、暗殺の仕事では”実行役”を務めている。

 一見すると脳みそまで筋肉でできていると思われるほど、短絡的で直情的だが、その実仕事は丁寧で、複数の武器を使い分ける技巧派である。

 


[グレイ]


 本名はエゴール。

 痩せて顔色が悪いが、別に不健康というわけではなくそういう人間である。

 魔法士で暗殺の仕事においては、支援役を務めている。

 目立たないが実際の仕事では彼の仕事量が一番多い。

 キャリア的に罠を張ったり、相手を誘導したり、誰かの能力を底上げしたりするのが得意である。


・ルノーブル


 大陸を横断する大河、ルブルム川の渡として発展した街。

 川を挟んで南北に北ルノーブルと南ルノーブルに分かれており、その間を多くの渡し船が大量の乗客を乗せて行き来している。


[飛竜]


 空を飛ぶことに特化した竜。

 その飛翔能力故に雲の上は飛竜の領域と呼ばれ、ユリウスであっても一筋縄ではいかない。

 各国で飼育、軍用化が進められており、飛竜隊は”通常戦力”としては最も強力な軍備とされる。


[コイロス・アグイス]


 マグヌス南部からトルバ北部にかけての大陸中央部に生息する、ヒドラの一種。

 その発生のメカニズムはよく分かっておらず、魔獣化した個体だけが見つかるが、発見されればそれだけでCランクの討伐対象になる危険生物。

 ただし生息地域にアクリラがあるため、Cランクといえども大きな被害が出ることは少ない。


[エリク]


 ヴェレスの街に向かう途中の馬車で出会った少年。

 剣を持っていたために、コイロス・アグイスと戦うことになってしまった。

 エリクが気を失っている間に、モニカによってコイロス・アグイスが倒され、その功績が押し付けられる。

 その後、主人公達が落としたフロウを拾い、偶然剣の形に変形させる。

 そして満身創痍の勇者ブレイブゴーレムと出会い・・・


・ヴェレス


 アクリラの北隣にある都市。

 同時に事実上のマグヌス最南端の街(正確にはアクリラが最南端の街であるが、統治権がない)

 南部諸国との交易の拠点として栄えている。



[ボルド]


 本名、ルッツ・カルマン

 国防局の極秘任務に従事していた。

 ボルドは任務で使う偽名。

 ゴーレムを用いたフランチェスカ討伐作戦に従事していると思われたが、実は既にローマンによって殺害されていた。


[隠者スパイゴーレム]


 ローマンの正体。

 カシウス後期の高性能フレームを使用しているため能力は非常に高い。

 諜報や破壊工作に長けており、直接戦闘は苦手では有るものの、力自体は勇者ブレイブゴーレムと互角に近い。

 フレームの周りを魔力を含んだ闇が覆っており、それが人間の見た目を作っている。

 そしてその闇に潜ることで、空間移動が可能。

 


[エクシール]


 本名テッサ・スタントン。

 フランチェスカ討伐作戦に参加した”エリート”資格持ちの魔法師。

 ゴーレム機械が専門で、カシウスのゴーレムの性能及び運用試験を担当していた。

 ジーンの裏切り後はゴーレム部隊の一部を率いてモニカ達を追い詰めた。

 マグヌス中で検問を行う、”門番ゴーレム”は彼女の発明品。



[勇者ブレイブゴーレム]


 カシウスがアルバレスの勇者を参考にして作り上げた、超強力なゴーレム機械。

 勇者の様々な”権能”を魔力的に再現しており、条件付きではあるが”特級戦力”と互角の力を発揮する。

 作られたのはカシウスの晩年で、その頃の作品の特徴である、高度な人工知能を備えているが、製作直後に”カシウスの裏切り”により、大半を倉庫の中で過ごしたため人格がかなり歪んでしまっている。

 自分を他の騎士ナイトゴーレムのリーダーとして認識していて、自分もその一員だということに自我の拠り所を置いていた。

 そのため、カシウス後期作にもかかわらず、日本語でのやり取りに強く拘る。

 だが、見た目こそ似ているものの、その構造は騎士ナイトゴーレムとは根本的に違い、フレームもローマンやクーディと同じ物を使っている。

 その為、フレームの機能である魔力吸収機構を備えるが、彼だけがそれを”武器”として装備されたために、コントロールは難しいものの性能は大きく引き上げられている。


 第一章で主人公達が出会った中では最強の敵。


・アクリラ


 マグヌスの最南端の街で、南部地域が南側に突き出した構造のために三方を他国に囲まれている構造になっている。

 その為、古くから交易の要所として栄え、その歴史は起源を特定することが困難なくらい古い。

 そして集まった多くの商人たちが、自分達の後進を育成するために沢山の学校ができ、教育の街としても発展していく。

 それが呼び水となって大陸中の様々な知識や文化が行きかい、魔力関連分野の研究教育の街として知られるようになった。

 魔法学校関連だけでも1000年以上の歴史を持っている。

 様々な種族文化を受け入れるために、建物やファッションなどは非常にカラフルで、様々な非日常的な場所と合わせて、カオスな様相を呈している。

 アクリラ虹色の輝きの語源はその風景から来ている。



*アクリラ


 街としてのアクリラではなく、教育システムとしてのアクリラ。

 大きく分けて、幼年部、初等部、中等部、高等部、研究部に分かれており、高等部までが生徒とされアクリラの街中では制服の着用が義務化されている。

 この世界の殆どの住民にとって、アクリラといえばこちらを指す。

 その正体はアクリラの街の中にいくつも点在する学校間で生徒や授業、施設などを融通し合う制度である。

 これによって、一つの学校が大きな施設や生徒を全て抱える必要はなく、授業に特化したり生徒を多く受け入れたりと、バラエティに富み、且つレベルの高い教育を行うことが出来る。

 そのため300ほどある学校の内、学舎と呼べる施設を持っているのは半分ほどで、残りの半分は教師の家や研究室などを書類上の学舎としている。

 だがこのシステムによって学舎を持たない学校の生徒であっても、施設利用上の不利益は生じない。

 また大きな行事や授業に必要な巨大施設は共同で用意し合うことで、学校1つあたりの負担を減らしている。

 欠点としては学校への帰属意識が低くなり、特に幼年部からいる大半の生徒にとっては、自分の所属する学校がどれだったかを意識することはあまりない。

 基本的には幼年部は市内中心部の幼年院にて集団生活を行い、初等部以降は市内各所の寮に別れて暮らしている。

 高等部を卒業すると、大半は母国に戻りそれぞれの道を進むが、一部はアクリラに残り研究者としての道を歩む。

 トリビアとしては、研究者や教師などは全員研究部に所属しており、書類上の表記は高等部以下の生徒と一見すると同じに見える。  



[校長]


 本名、ステファニー・グレンテス


 アクリラの校長を務める高齢の校長。

 アクリラにおける”人類”代表も務めており、その影響力は大きい。

 常にアクリラのパワーバランスに気を使っていて、最近は近年急速に影響力が強まるマグヌスに対して危機感を感じている。

 主人公達を引き入れたのは結構打算的なところが有る。

 一見優しげな老婆に見えるが、中身は演技派の腹黒。

 その熱演に引っかかり、多くの優秀な教師や生徒をアクリラにやってきた。

 そしてアクリラの有力な教師の多分にもれず、校長も実はかなり強い。


[スリード]


 アクリラで500年教師をやっている、蜘蛛の魔獣。

 巨大な魔獣の上に人形の器官が乗っているアラクネ。

 最高ランク魔獣なので語るまでもなく、アクリラトップクラスの実力者である。

 その強さと出自故に世界中から超高額の懸賞金が掛けられているが、教師としてアクリラに在任している限りは”差し止め”状態になっている。

 本人も討伐依頼がかかっていることを気にしてはおらず、むしろ生徒を和ませるための”ネタ”として活用している。

 圧倒的に強固な体と、瞬発能力が最大の武器。

 アクリラにおいて人類以外の”生物”の代表をしており、影響力は校長と並ぶほど大きい。


 なお人の部分は結構最近まで、服を着ておらずルイス達彼女の助手達の不断の努力の甲斐あって、公の場では服を着るようになった。

 ただし、どの服もスリードが本気で動くと破損するため、本人は出来るなら着たくないと考えている。

 長寿の魔獣であるため、勘や予感に鋭いが、どうしても人間と感覚が異なるため、人間の姿の上半身に慣れた知り合いなどは、時々彼女の行動に驚く。

 ちなみに人間の部分は元々、”餌”として人間を狩るための疑似餌として発達した。

 尚、そこから栄養補給も可能である。

 

[アラン・キルヒ・アクリラ]


 ”世界”がアクリラを守るために現出させた、白の精霊。

 アクリラの関係者の中でも最古参で、その功績から名前に”アクリラ”の文字が入っている。 

 アクリラと認識される領域の中でしか活動できないが、アクリラの中でであればどこにでも移動できる。

 長い間、人の社会で暮らしていたので、精霊の中ではトップクラスに世俗に聡く人間臭い。

 性別はないが、一見すると男に見えるため、女性のプライベート空間には入らないように配慮している。

 浮世離れしているが、生徒に嫌われると激しくヘコむという隠れた特徴がある。

 

[ロザリア]


 ”フリードリー・パース記念治療院” 、通称”アクリラ北病院”の医者。

 魔力傾向は特化型の白で、切れかけていた足を数時間で完治させるほど強力な治療が可能。

 生徒の検査なども請け負っており、主人公達の検査を行った。


[ハル]


 アクリラの教師。

 ヘビ型の獣人で、一応、ギリギリ”人類”に区分されるが、あまりに人からかけ離れているので”動物”扱いされている。

 性別は女性で、生徒からの人気は意外と高い。

 主人公達の編入試験で案内役を担当した。


[ザーリャ]


 アクリラの教師。

 身長50cmほどの大きさの喋るスズメバチ。

 アクリラに来てからの時間は短いが、年齢は高い。

 スズメバチということでアウトドア派だと思われがちだが、アクリラトップクラスのインドア派で知識人である。

 そのため戦闘力は皆無に近く、それを誤魔化すように高圧的に喋る。

 ちなみに彼の種族は3対6本の足の内、下側2対4本を歩行に使い、真ん中の1対2本の足は状況に合わせて、足にも手にも使うというのが一般的であるが、彼は頑固なので二足歩行を貫いている。

 主人公達の筆記試験を担当した。 


[クレイトス]


 アクリラの教師。

 狐の半獣人(獣人と人の子)のダンディな男性教師。

 その厳つい見た目と違って、気遣いの出来る人である。

 比較的戦闘が得意な教師だったため、主人公達の実技試験を担当した。


[クワシ]


 アクリラの教師。

 喋るクマ。

 試験の手伝いを行っていた。


[ウォルター]


 アクリラ超高圧魔力研究所の研究員。

 所長ではないが、様々な研究を主導する立場に有る。

 高圧魔力研の多分にもれず大魔力に魅せられており、モニカのことを”魔力源”として欲しがっている。

 試験では主人公達の魔力測定を担当し、スリードと共に枠の確保に貢献した。

 地味に”アクリラで怒らせてはいけない人ベスト100”に、魔無にも関わらず毎年選ばれ続ける程、影響力は大きい


[スコット]


 アクリラの教師。

 主人公達が所属する”学校”の長。

 元々は魔導剣士であったが・・・



・木苺の館


 主人公達がアクリラで住むことになった寮の部屋・・・というか家。

 アクリラの東部にある東山の西の斜面にある”知恵の坂”という寮の521号室。

 巨大な屋根を倒したような形の土台の上に、本物の家が立っており、遠目で見ると斜面から家が横に生えているようにみえる。

 土台の中は広い倉庫になっていて、その上には眺めの良い庭と一階建ての家が乗っている。

 そこで、ルシエラとベスと一緒に暮らすことになった。


[ベス]


 本名:ベスティ・テレザ・ミレニア

 緑がかった黒髪と、エメラルドのような綠色の瞳が特徴の、主人公達のルームメイト。

 ”北壁”に沿うように広がる小国”エメルサント”の出身。

 まだ8歳だが、大変礼儀正しい。

 両親は豪商でかなりのお金持ちである。

 ルシエラのことは”ルシエラ姉様”、モニカのことを”モニカ姉様”と呼ぶ。


[サティ]


 ベスの飼っている綠色のフクロウ。

 主と同じように礼儀正しい。












[ニコラ]


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