十一階
十一階。
置き去りにされた本。あなたはそれを読もうとするが、開いた頁、そこにある文字に、盲点は合うが焦点は合わず、整列していた文字は逃げ、フナムシになって散り、視界の端でまた整列、追う、追えない、ただ空白が目を焼くだけ。
十二階へ。
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