第11話 ナミinMASSOスーツが命じる

「雑魚とはいえ、デビューは上々よ」

「えへへへ」

「初出勤お疲れ様」

「出勤?」

「そうよ、ついでに説明しときます、MASSOスーツはラボの支給品です、あなたはMASSOスーツを使って悪霊を刈取り、ラボは悪霊を冥界へ売りつけます」

「あっ、売るんだ、魂って売買されるのね」

「普通は勝手に昇天するからお金は発生しないの、けど、悪霊は冥界にとっても迷惑な存在でね、それでアタシみたいなのがいるのよFREEで頑張ってます」

「あ~個人売春みたいなもの?」

「言い方ね、無理だろうけど気を付けて春は売ってませんから、売ってるのは悪霊ですから」

「で?アタシは何のために?」

「何のために?MASOOスーツを動かすためよ、それ以外に何か?自分が特別だとでも?若さだけで稼げるほど甘くないのよ、この世界は!! 身体張ってナンボなの!!」

「身体は草むらで横たわってるわ!! なんなら尻丸出しでね!!」

「いいじゃない、顔隠して尻を晒すなんて風俗嬢っぽいじゃない」

「風俗嬢じゃねぇっての!! 付属高校生だっての!!」

「別にいいのアタシ的にはJKだろうが、嬢でも姫でもMASSOスーツで稼いでくれればね、まずは借金返さないとだから」

「借金?」

「そうよ、アナタ、まさかタダでそんな素敵なスーツが支給されると思ってるの?甘いわ、すべては投資よ」

「聞きたかったんだけど、キリコって何?」

「アタシ?美形のリケジョってだけじゃないのよ」

「トッピングメンヘラ?」

「そうじゃないの、アタシ天使だったの、ちょっと前まで」

「はっ?」

「色々あったの、で天使辞めてFREEになったのよ」

「さっぱり解らない」

「バカだからね、天使ってラッパ持って飛んでるだけじゃないの、基本奴隷のごとくハードワークなの、彷徨える魂を保護したり迷える子羊導いたり」

「羊飼いなの?天使って?」

「違うわ、ていうかどうでもいいわ、とにかく理解なさい、お金が要るの、そのためには魂を狩るの、解るギリギリ?」

「アタシはなんのために?」

「お金が入れば、より高額な死徒を狩れるわ、今は基本状態、無課金プレイヤーだと思ってちょうだい」

「無課金?だから裸なの?」

「そうね、武器も無いし…」

「そうなんだ…アタシなんだか悲しい」

「大丈夫よ、余裕が出来たらビキニも増えるわ」

「ビキニ限定?てか何枚あるの?」

「5枚よ、布面積に反比例して高いの矛盾よね、それとも風俗業界ってそうなのかしら?脱ぎっぷりがいい子ほど単価が高いみたいな? そうなのかしら」

「知らないけど、だからアタシは何のために?」

「解らないかしら、アンタ死んでたのよ、生き返らせてあげたでしょ、契約書どおり、基本時給50銭+歩合制で契約したでしょ」

「そうなの?」

「頂けるのお時給?」

「出すわ、死んでから使える『冥土銭』通称メニーで支払うわ」

「JPYじゃないの?」

「換金率?そうね、今だと1メニー13.85円、残念だけどナントカ学園問題でね、おすすめしないわ今は…メニ円」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る