第184話 居たかった

 朝、クリーニング屋の運転手が大量のリネンを回収に来る。

 うすら1年もバイトしていると顔なじみになるわけで

「先週さ、ココに酔っ払いがいて、怖かったよ」

「ココって事務所に?」

「うん」

「ダメだろ…警察だろ…」

「いや、女の子しか居なくてさ、怖くて、ほっておいたみたいだよ」

「ダメだろ…恐かったら尚更、警察だろ」


 話しを聞くに

 酔っ払って事務所に入ってきて、喚いて、寝てを繰り返し、知らぬ間に帰ったらしい。

 一晩、クソ寒い台所で寝てたようだ。


 ただの酔っ払いで済んだけど…

 過去には色々あったようで…


 結局、出入り自由の事務所というのが問題なのだが、どうも、その辺の危機管理が薄いのだ。

『警察に引き渡す』

 なぜ考えられないのだろうか?


 そして、僕はなぜ、そういう面白そうな日に居なかったのか?

 僕が社長と大喧嘩しても、どんなに嫌われようと、続けている理由…

 トラブルが好きなのだ。

 昔から…

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