第26話 追加食料調達
「どっかーん!」
パラスが空中に飛んでいたドラゴンに衝突。
ドラゴンが気絶し、落下する。
もふ
エルクが構成した魔法の網が、ドラゴンを覆う。
パラスは空を高速で飛行し、凄まじい硬度で突撃している。
パラスの出す盾は衝突力にかなりの補正がかかるらしく、かなりの攻撃力のようだ。
しかも、ブレスだろうが衝撃波だろうが、一切通さないようだ。
・・・流石聖女、強いな。
どこが微妙なんだ、エルクは思う。
「パラス、凄いじゃないか。偉いぞ」
エルクがパラスの頭を撫でてやると、パラスが目を細める。
「・・・ドラゴンのステーキとか可能なのでしょうか・・・日本じゃドラゴンは居ないですし・・・」
セリアが何かぶつぶつ言っている。
「あれ、セリア今日本って言った?」
パラスがじっとセリアを覗き込む。
「えっ」
セリアがじっとパラスを見た後、
「・・・日本、何の事ですか?知らないですね」
「・・・えー、セリアも日本から来たんじゃないの?」
「私の出身は、ラムダ村です・・・よ?」
「ラムダ村で産まれる前だよ!」
パラスは何を言っているのか。
エルクはパラスからアンリと似た空気を感じる。
「前世・・・とかでしょうか・・・?すみません、前世の記憶はなくて」
「そりゃ普通は無いだろう。パラスも止めておけ、セリアが困っているだろう」
ぽふ、
パラスを抱き寄せる。
「ふにゅう・・・」
パラスが大人しくなる。
「セリアー、ドラゴンでハンバーガー作ってー」
「ハンバーガーって・・・パンが無いですよ」
セリアがパラスに困ったように言う。
「ほら、やっぱり通じた!」
「ハンバーガー?パン?」
エルクが小首を傾げる。
セリアは少し固まった後、パラスの手を取ると、木陰に連れて行く。
「・・・?」
エルクがきょとんとする。
アンリが、
「エルク様。女の子には色々あるんです。詮索は駄目ですよ」
「いや・・・アンリほど色々ある奴はいないとは思うが・・・」
ややあって、二人が戻ってくる。
別に喧嘩していた訳でもないらしい。
パラスはニコニコしている。
「・・・もう良いのか?では行こうか」
「はい」
セリアが笑顔で答える。
パラスが沢山食べたので、食べ物を更に収集。
この際、ドラゴンや怪鳥も食べれられるなら食べてしまう。
何せ、でかいからかなりの量になる。
空を飛んでるとたくさん来るし。
俺が魔法で撃墜してもいいのだが、とりあえずパラスに任せている。
村に持って帰ると、驚かれた。
「それでは切り分けますね」
セリアが言い、手を振ると、無数の剣が出現する。
剣は意思を持つかのように飛んでいき、豆腐を切るように手際よく肉を捌いていく。
「セリアも凄い技だな」
「はい、エルク様のお陰です」
セリアが微笑む。
セリアの指示に従い、アンリが魔法を行使。
的確に焼いたり、乾燥させたりしていく。
仲が良いなあ。
エルクは思う。
適宜、アンリが肉を切り分け、パラスの口に放り込む。
パラスが意見を言い、セリアが再度味付けし・・・
味見役に収まっているようだ。
エルクはその光景を微笑ましいと思う。
一部は、近くの氷結洞窟に保存した。
氷の魔力が渦巻く洞窟で、常に氷で覆われている。
勿論、他の魔物に奪われる可能性もあるが・・・腐らせるよりはマシだ。
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