第19話 食料調達
程なく、夜が明けた。
気に掛ける、とは言ったものの、出来る事が多い訳ではないのだが・・・ともあれ、人が一気に増えて食料はないはずだ。
また、蛍光石や、他の鉱物・・・とってきて渡してやっても良い。
あまりやり過ぎて、魔族の関与がばれたら迷惑が掛かる。
それは注意した方が良いだろう。
「ですから、セリア様、私に様を付けるのは止めて下さいって言ってるんです!」
「・・・そう言われましても・・・私の方が後から眷属になっているので、私の方が下位・・・なら、両方敬称はなし、というのでどうでしょうか?」
「・・・それは平にご容赦下さい。セリア様に敬語を使わないのは、恐れ多くて・・・」
「・・・恐れ多いって何故ですか?」
・・・アンリがまた謎の発言を繰り返している。
この娘は何故こんなこだわりを持つのか。
「セリア様は筆頭眷属、敬意を払われてしかるべきです」
「筆頭眷属はアンリ様だと思うのですが・・・」
困惑したように言うセリア。
筆頭眷属、というものがあるとすれば、セリアの言うとおりだろう。
「私が筆頭眷属なんて恐れ多い・・・私なんて・・・えっと・・・6番目です!」
「おいおい」
後4人は何処行った。
エルクは心の中で追加で突っ込む。
「あ・・・そうでした・・・7番目です」
増えた。
「その5人はいったい・・・?」
「えっと・・・ジャンヌ様と・・・リア様と・・・パ・・・」
「リアは妹だ!あとジャンヌは眷属にならん!」
「うー・・・とにかく、セリア様はセリア様です。私の事はアンリと呼び捨てにして下さい!」
「・・・分かりました、アンリ」
セリアが折れた。
エルクが言う。
「とりあえず一段落着いたなら、食料を探しに山に入ろうと思う。救助した女性達の分、食料が足りない筈だ」
「・・・そうですね、行きましょう」
セリアも真面目な顔になる。
「はい!」
アンリも元気に返事をした。
--
エルクは探査の魔法を発動、野草や果物のある場所を特定。
その場所に移動し、収穫する。
セリアは他にも、知らない野草を採ったり、地面の岩を採ったり・・・色々収穫している。
エルクはセリアから収穫した物を受け取ると、魔力の網に入れ、浮遊させる。
「風よ」
エルクが放った真空の針が、襲ってきたフォレストウルフを貫く。
「血の槍」
アンリの放った赤い光が、フォレストボアを貫く。
ボアは食べるのでエルクがマナの流れを抑えた上で回収。
「闇の剣」
セリアが複数の漆黒の剣を産み出し、ジャイアントターマイト達を死滅させる。
「セリアもなかなかやるな」
「はい、ご主人様のお陰です」
セリアが微笑んで言う。
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