{第八十二話} 第六感
「他にはどんな種類の弾があるんだ?」
「他には「フルメタルジャケット弾」これはとても貫通能力が高いから、熊とかデカイ動物相手に使う事が多いな」
「ミノタウロスに効果的?」
「そうだな」
あの時使うとしたらこのフルメタルジャケット弾を使用するのが適切だったんだな。
「次は「ソフトポイント」貫通能力は低いから、貫通させたくない時に使う弾だな。警察とかが使うことが多いらしい。あとは、練習用?」
疑問系にされても、オレは詳しく無いから答えようがないのだが?
「あとは「照明弾」撃つと弾から強い光を放つ弾だ、以上」
なんか説明適当じゃね?
「他にも「ゴム弾」もある。これは、殺傷能力こそはないものの、当たると痛いらしい。殺したくない相手に使うといいかもしれない」
「え~と、あとは「信号弾」これは説明要らないだろう」
「ダムダム弾はないのか?」
「あるにはあるが、使用はオススメしないな。存在を知ってるなら、どういった弾なのかも知ってるだろ?それが理由だ」
ダムダム弾は命中すると弾が裂けて、人体に当たった場合に大きなダメージを与える弾で、当たった箇所は止血が難しく、例え腹部等に当てたとしても十分な殺傷能力がある。
たしか、この弾は戦争では使用する事が禁止されていたな。
「ここまで説明した弾はすべて弾単体のせいのであって、魔法等の効果は無い。ここに魔法を載せることで、敵を毒状態にしたり、しびれさせたり出来る」
「勉強になったわ」
狙った所に当てられるようになり、命中率が上がった。
「中々当たるようになったな、50mを撃てみろ」
おじさんの発言に耳を疑った。
「50m」?「5m」の間違いじゃなくて?
まぁ、「5m」だったら、それはそれでおかしいけど。
「ネラやネイならまだしも、オレには無理だろ」
「いける、いける!」
「無理無理」
「いけるから、アプリからネメシスを連携しろ」
おじさんに言われた通りに、アプリを開きネメシスを連携した。
「アプリとの連携を確認しました。スコープ機能が使用出来ます」
ネメシスと突然しゃべり出した。
ネメシスの声も女性だが、M1911とは違う声だがこれも人気声優さんの声に似ているような気がする。
「これでいけるはずだ、騙されたと思って50mを狙ってみえろって」
おじさんに言われた通りに、銃を構え50m先の的をサイトを覗き狙うと、メガネが急にズームした。
「オートになってるなら、マニュアルに切り替えられる。どっちが使いやすいかは、お前しだいだ。好きなほうを選べ」
設定をマニュアルに切り替え、再度サイトを覗くがズームされない。
試しに「2倍」といってみると、倍率が変わりズームされた。
よく見ると、左上に「2x」と表示されていた。
試しに倍率を24倍にすると的が良く見えるが、手ぶれが酷い。
呼吸をするだけで、スコープを覗くとその揺れはとても顕著に現れる。
もしこの状態で撃とうものなら、的にかすりすらしないだろう。
そんな状況のオレに対し、ネラとネイは意図簡単に的の頭を打ち抜いている。
一方、おじさんの的を見ると、弾痕で星を書いていた。
関心しておじさんの方を見ると、ネラやネイ、オレとは違い、思いっきりスナイパーライフルを使っていた。
「おじさん、何でSR?」
「さっき落ちてきた補給物資から拾った」
おじさんが指差す先には、赤い煙が出ている青い布を被った赤い箱があった。
「物資の中に「AWM」と「SR用サプレッサー」「SR用大容量クイックドロードマガジン」「8×スコープ」とか言う、スナイパーフルキットが入ってたからな。コレは使わざるおえないって事で」
確か、AWMは専用の弾だから、弾切れイコール銃自体の使用不可になるからな。
的に星を描くなんて、弾の無駄使いしてたらすぐになくなるぞ?
「そう言う事じゃないんだけど。ちなみにオレには何も無いのか?」
ヘルメットか防弾チョッキが欲しいな。
「ほらよ」
おじさんが地面に置いたアイテムは、一目でそのアイテムが何なのか分かる物だった。
一応着るか。
「コレ何なんだ?ギリースーツとか要らないわ!しかも、草原等で使える緑ではなく、砂漠等で使う薄茶色とか。この場で使ったら、完全に位置バレするんだが?」
オコヘルと同等の効果を得られるな。
「そうだろうな」
「おじさんにあげるよ、コレ」
ギリースーツをおじさんの近くに置くと、おじさんは緑色のギリースーツを着ている。
「それと交換してくれ!」
「いやだ!」
まるで子供様な反応だな。
今気づいたが、おじさんは顔中に「無限」と書かれていた。
AWMは弾切れしないだろう。
「ちなみに、救援物資はどうやって?」
「空にフレアガン撃ったら降って来た」
これは「でしょうね!」としか言いようがないな。
そんなくだらない会話をしていると、おじさんのスマホが鳴り出した。
「あ、完全に忘れてた」
スマホの画面を見て、一言目がコレと言う事は、おじさんの電話の相手は大体検討が付く。
「あ、どうも...」
「...」
「あ、失礼...」
「...」
「今から行きます...」
心配するオレ達に対し、おじさんは「大丈夫、大丈夫」と言っていたが、おじさんの様子は全然大丈夫そうには見えなかった。
額から汗が滝の様に流れ「大丈夫」と言う声も少し震えていた。
「仕方ない、行くか」
おじさんがそう言うと、上空に雲が集まりオレ達をめがけて光がさした。
光に包まれ、あまりの眩しさに目を手で覆ったが、それでも輪周りが明るい事が分かる。
しばらくすると光が消えたので、目を覆っていた手を外すと、さっきまで居た平原とは打って変わって、見渡す限り360度何処までも続く真っ白な場所。
少し歩き回ってみたが、まったく風景が変わらない。
おじさん達が立っているから、自分がどの方向にどれ位移動したか分かるが、オレ一人がこの空間に居た場合、自分が進んでいるのかもわからない。
しかし、こんな状況にかかわらずおじさんは一直線に歩いていく。
どうやらおじさんはどこに行けばいいか分かるらしい。
「何でこっちって分かるんだ?」
「第六感?」
そんなしょうもないおじさんの第六感に任せ、オレは何処に行くのかも分からないが、取り合えずおじさんについていった。
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