{第四十二話} MPMを調べるために...

そんな話をしていると貴族ならびに騎士団の人達は居なくなっていた。

「あれ?貴族の皆皆様は?」

貴族達どころか用意された紅茶やケーキは跡形も無く、テーブルやイスも片付け終わりそうだ。

ネラも手伝っている用だ。

「どうかしたのか?ショウ殿?」

王が話しかけてきた。

「実は団長に殺害予告が...」

「殺害予告だと?!」

「はい」

「内容は?」

「今日を騎士団長の命日にするらしいです」

「そんな...」

「で、その手紙から指紋を検出したのですが...」

「指紋か...この世界にそんな技術は無い、私だって京一から借りた本で知ったんだ」

「そうです...ちなみに「MPM」って知ってます?」

「いや」

「おじさんが見つけたらしいです」

「...知らないな、何なんだ?」

「人はそれぞれみんな違った魔力を持っているらしいです...DNA見たいな?」

「なるほど...それが触れた物なんかに微量ながら付着します」

「今回の手紙にも?」

「はい、付着していると思います。そして、人は自分の意思に関係なく魔力と体内から放出している」

「なるほど...大体分かった。だが...」

「そして、一番の問題であるその魔力の詳細を調べる事ができる人が...」

「そんな人は...そうか!」

「二人居ますよね?」

「そうだな」


 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 


カクカクシガジカ...


「そういう事なんで、よろしくお願いします」

2人に頭を深く下げる。


「私からもお願いする」

王もオレと一緒に頭を下げている。


「2人とも頭を上げてください」

「私達に任せなさい!」


モニカは自信満々で、そんな妹を見て仕方ないわねと言う感じだ。

「すまないな、2人とも...」


「いえいえ」

「別に良いのよ?それに、ショウくんの役に立てるのはうれしいこのなのよ?」


「そうなのか?...」

首をかしげるオレの手をぎゅっと、2人が握る。


「そうよ!」

「そうです!」


「そ、そうなのか...?」


「ええ!そうよ!」

「はい!そうです!」


「そうか...それとさっきの「ショウくん」って何?w」


「だって、かわいいじゃないwショウくん」

「じゃ、じゃあ...私は「ショウさん」と呼ばせてください!」

良いのか?これで?「ショウくん」なんて呼ばれたの小学校以来だぞ?

まぁ、彼女達がそれで良いなら良いか...な...?


「分かったよw好きに呼んでくれw」


「は~い」

「ありがとございます...そういえば、なんで私達呼ばれたんでしたっけ?」


「だからw手紙に付いた魔力を調べてほしいって話w」

あっぶね~完全に本来の目的忘れてたw


「わかったわ、おねぇさんに任せなさい!」

「その手紙を見せてもらえますか?」


「おう、団長から預かって来たぞ」

スーツの内ポケットから騎士団長の手紙を取り出し2人の前に見せる。


「これね~5人の魔力を感じるわ~」

「ショウさんと騎士団長さんは分かりますが残りの3人は男性としか分からないですね」


「え?性別分かるの?」


「はい」

「年齢も分かるわよ~あてに出来ないけどねw」


「あてにならないとは?」


「え~っとね~」

「例えば、見た目と年齢が比例しない人が居ますよね?」


「おう」


「魔力も同じで魔力から読み取れる年齢と実年齢が違う事がほとんどなんです」

「おじいさんでも魔力年齢が20歳くらいだったりね~」


「なるほど...」

実年齢と肌年齢が比例しないのと同じ感じか。


「あてにならないのよね~」

「実年齢と魔力年齢が一緒なのは珍しいんです」


「ちなみに、オレの魔力年齢は?」

一応聞いておこう、一応な?

もしコレで16より上だったらどうしよう...

おっさんだったらどうしよう...

そんな事しるか!

よ~し!聞く準備は出来たぞ!

いつでも言ってくれ!


「え~っとですね...」

「これは...」


「もったいぶらずに早く言ってくれ!」

え?何?ヤバイの?

超不安なんだが...?ん?

病院で検査後、医者に「あ~、コレは~w」って言われた時くらい今不安なんだが?


「それが...」

「それがね~...」

二人とも首をかしげている。


「え?ヤバイんですか先生?」

やば、あせりすぎて「先生」って呼んでしまった...w


「そうですね...ヤバイです」

「ヤバイわね~」


「マジで?!」


「マジです」

「マジね~」


「ぐぬぬ...で、何歳なの?」


「分からないんです...」

「分からないわ...」


「これだけ先延ばして「分からない?」だと?」


「はい...」

「ええ...」


「分からないか...」


「お役に立てず、すいません...」

「ごめんなさい...」


「いやいいんだ」

きっとオレがこの世界の住人ではな無いからだろう。


「私は...?」

どうやら王も自分の魔力年齢が気になるらしいw


「そうですね...」

「そうね~」

少し悩んでいるようだが?


「ちなみに実年齢は何歳何です?」

実年齢が分からないと魔力年齢が分かっても良く分からんし。


「私は確か...48歳だな」

自分の年齢を忘れていた様子。

その感じは分からんでもない。

オレも何月何日生まれかは覚えていても、何年生まれかは忘れて居る。

平成何年とか言われたらさらに分からない。

それゆえに、自分の年齢もあやふやになってしまう。


「出ました」

「王様の魔力年齢は45歳よ」


「そうか」

以外と実年齢と差ほど違いは無くほっとしている様子だ。


「実年齢とあまり変わらないな」


「そうですね」

「珍しいわね~」


「そろそろ本題に戻ろうか?」


「わかりました」

「ええ」


「そういえば、そこらへんを歩いている人から放出される魔力は識別できるんだよな?」

それさえ分かれば、この手紙に付いたMPMと照合して探し出せるだろう...


「出来ますけど...」

「どうしてそれを知ってるのかしら~?」

2人に問い詰められる。


「いや、べつに~知ってると何かおかしいのか...な?」

問い詰められたオレはしどろもどろだ...


「サキュバスはほかの種族とあまり交流をとらないんです」

「しかもそんないろんな人に言いふらす事でもないわ」


「いやね?聞いたんだよ...」

ヤバイ、額から汗が...


「誰にですか?正直に言ってください?」

「誰かしら~怒らないから正直におねぇさんに教えなさい?」

怖い!2人とも目が怖い!


「おじさん...?です...」

何故、疑問形?


「そのおじさんはサキュバスですか?」

「違うわよね?」


「普通の人間です...多分...」

だって、この世界で暮らしている時点で現世で言うところの「普通」では無い気がするし。


「何故、普通の人間がそんな事を知ってるのでしょうか?」

「その「おじさん」が仲の良いサキュバスから聞いたのかも知れないわね」

なんか、2人で納得している。


「ショウさんは、私達以外のサキュバスの知り合いは居ますか?」

「まさか...居るわけないわよね~」


「2人以外のサキュバスは知らないし、見た事無いよ」

オレはこの世界に来てから3日しか経ってないんだぞ?

しかもかなり忙しかった...オレの一週間を3日に凝縮したぐらい忙しかったし色々あった。

ん?...オレの一週間って結構...暇?


「そうですか...」

「そう...」

2人は納得し安心した様子だった。

何に安心したかは知らないが。


「それに、2人以外のサキュバスと知り合うつもりも無いしな」

だって、ただでさえオレは人付き合いが苦手なんだ。

それに人が沢山居る状況が好きじゃない。


「そ、そうなんですか?!」

「そこまで私達を...!?」

驚いた様子の2人。

何か勘違いしている気もするが、まぁいいか...

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