{第二十一話} 異世界でオレはお金持ち?

で、銀行はどこにあるんだ?」

「こっちです」

しばらく歩くと町の中心街に着いた。

「にぎわってるなー」

「そうですね、このハネット王国の中で一二を競う町ですからね」

「ほうほう...で、銀行は?」

「ここです」

「ここか...」

この辺りで一番大きく目立つ建物だ。

「ガチャ」

中に入ると予想通り内装も豪華だ。

「忙しそうだな」

「そうですね、この町一番の銀行ですからね」

「そうなのか」

話をしていると、受付?がひとつ開いた。

「すいません...」

「今日はどういったご用件でしょうか?」

明るい感じの男の人でネームプレートには「エル」と書かれていた。

「えーっと、おじさんの口座の金額を見たくて...」

「お名前をフルネームでおねがいします」

「菊田京一です」

「しょ、少々お待ちください」

名前を聞いたとたん同様しはじめ奥にいる人と話をしている。

「どうしたんだ?」


 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 


「どうした?エル?」

「あそこのお客様が「口座の貯金額をみたい」と...」

「そうか、誰の口座を見たいんだ?」

「それが...「キョウイチ」という方なのですが...」

「何?「キョウイチ」だと!?」

その名前を聞いた周りの銀行員?たちがざわざわし始め、昌のほうを見る

「はい」

「私が対応するからお前はそこにいろ」

「わかりました」


 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 


「すいません、おまたせしました」

「いえ、大丈夫です」

「この銀行で支店長をしている「ライノ」ともうします」

「支店長?このほかにも銀行が?」

「はい、この「ティッパー銀行」はハネット王国の各地に支店がありまして、どの支店でもお金のやり取りができます。そして、本店は王都にあります」

「つまり、ここで預けたお金を王都の本店で引き出すこも可能ということですか?」

「そうです」

「わかりました。でも何故、支店長じきじきに?」

「キョウイチ様の口座を見たいんですよね?」

「はい」

「キョウイチ様の口座は額が額なだけに部下にやらせるわけには行かないんです」

「なるほど、で口座は見せてもらえるんですか?」

「はい、ですがまずこちらを...」

彼が渡してきたのはスマホだった。

「これは?」

「キョウイチ様に「もし自分の口座を見たい奴が現れたら渡してくれ。そしてクリアできたらみせてやってくれ」と頼まれたので」

「「クリア」かゲームだろうな」

スマホの電源を入れるとアプリが起動した。

「なになに「フルコンしろ!」か、音ゲーか」

「スタート!」


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「ふーなんとかクリアした...」

画面には「クリアおめでとう!口座のパスワードは「11111」だ!」と表示されていた

「セキュリティーガバガバだなw」

「では、こちらに」

ライノのあとを着いていくと銀行の地下の大きな扉の前に着いた。

「ではこちらにパスワードを」

「はい」

「11111」と画面に入力する。

「私はここで待っておりますので」

「ありがとうございます」

扉に入り奥に進むとそこには大量の100000ギル硬貨がおいてあった

「いくらぐらいあるんだ?」

「そうですね...正確な値は出せませんが少なくとも10億ギルはあるかと」

「10億?!もうオレこの世界で遊んで暮らそうかな...」

「魔王討伐はどうするのですか?」

「冗談だよwてか、口座とか言って思いっきり金庫じゃん!」

「そうですね」

「この世界と現世とは物価は同じくらいなんでしょ?」

「そうですね」

「なら、2枚で十分だ」

「よろしいのですか?」

「そんなにあっても持ち運びも大変だし使わないしな」

「わかりました」

「さて、そろそろ出るか」

「はい」

(ん?...)

金庫から出て扉を閉める。

「もうよろしいのですか?」

「はい、僕にはこんな額使いきれませんしねw」

「そうですかわかりました」

「すいません、この口座に振り込まれた額の明細書見たいのありますか?」

「はいありますよ」

階段をあがり椅子に座って待っているとおくから分厚い書類を持ってきた。

「こんなに?」

「はい、何年分もありますから」

「時間がかかりそうだな...」


30分後...


「簡単だけど全部見終わった~ネラ、そっちは?」

「毎月、この町と鉱山、市場からお金が振り込まれています」

「町はベーシックインカムだろうから...鉱山は何?」

「この町の重要な資金源である鉱山を開拓してここまで発展させたのは京一様ですからね」

「なるほど...で、市場は?」

「市場も鉱山と同様で発展させたのは京一様なので...」

「わかった、つまりおじさんはこの町の発展に大いに貢献した結果があの金庫か」

「そうですね」

「そうだ、このお金崩してもらえますか?」

「はい、もちろんです。どう崩しますか?」

「この10万ギルを10ギル10枚、50ギル6枚、100ギル6枚、1000ギル9枚、5000ギル6枚、10000ギル6枚にしてください」

「わかりました」


「うぁ...サイフが重い...」

「そうですよね」

「ちなみに硬貨に使われている金、銀、銅の割合はどれくらいなんですか?」

「たしか金が70~80、銀が80~90、銅が90%以上だったはずですが」

「ありがとうございます」

「いえいえ、銀行員として当然の知識です」

「ありがとうございました」

「またおこしください」


 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 


「大人な男の人だったな~」

「そうでしたね」

「将来そんな大人になりたいな」

「そうですね」

「次はどうしようかな~」

「住民証を登録しにいきましょう」

「何それ?「住民証」って何?」

「この町の住人の証明になる物でほかの村や町に入るときに必要になります」

「ほうほう、何が書いてあるんだ?」

「名前、年齢、性別、職業、出身地です」

「なるほど、登録しに行くか」

「わかりました」

「で、どこで登録できるの?」

「町役場で登録できます」

「役場どこ?」

「案内します」

「着いていきます...」

「着いてきてください」

「それにしてもにぎわってるな~人多いし」

「さきほど話した通り王国内でも多きな町ですからね」

「おじさんと初めてであった時の話をワドーンさんから聞いたときはたしかここ、町じゃなくて村だったって聞いたけどな...おじさんがここまで発展させたのか?

「そうですね」

「おじさん町作り系のゲームにはまってた時があったからな...」

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