{第十九話} 1円=1ギル
「さぁ、いきましょう」
「ちょいまち」
「何か忘れ物でも?」
「いや、ゲームのログインを...」
「分かりました」
「あれ?ログインできない?時間が止まっているからか?」
「そうですね」
「時間が止まっているならイベントランキングの1位なるの簡単だと思ったのに...いつも一桁には入れるんだけど、なかなか1位に入れないんだよねw」
「そんなにやりこんでるんですか?」
「まぁね、今度大型アップデートがあるらしからアイテム集めしとかないと。内容はまだ告知されてないけどw」
「どれくらい集めるんですか?」
「カンストまで」
「はぁ...」
「課金はしているんですか?」
「まぁ、少しはね」
「まだ学生なのですからほどほどにしてください」
「そうだな、自分で稼いでるならまだしもお小遣いで課金しているからな」
「自分である程度稼げるようになってから本格的に課金してください」
「課金する事は攻めないんだな」
「はい、京一様が良く言っておられました「課金をするもしないの個人の自由だ、無課金で遊ぶのもまたプレイスタイルのひとつだしなwでも、俺が許せないのは無課金なのに課金をしているプレイヤーを馬鹿にする奴は嫌いだ。課金する人がいるお掛けでアップデートが入って新しい要素やコラボなんかが始まるんだ、しかももともとゲームってのはお金を払ってやる物だ。それが無料でできるって事は「無料でやっている奴の分まで課金している人がいるってことを忘れてないか?」って言ってやりたいねw」と...」
「ゲームのことになるとおじさんは語りだすからなwそういえば趣味でゲームを作っているっていてたな...まぁ、おじさんなら納得だなw」
「そうですね」
「よし、異世界ではゲームにログインできない事が分かった。終了!さて、行こうか「レクトロ」に」
「はい」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
しばらく歩くと、市場に入った。
野菜や魚、果物なんかが売られている。
それなりの人道りがあり、にぎわっている。
果物を売っている店やの店主らしき男の人が話しかけてきたが、前回とは違い何を言っているか手にとるようにわかる。
「どうですか、取れたてでおいしいですよ!」
「オススメは?」
「そうですね、コレなんかどうでしょう?」
男が現世で言う「りんご」のようなものを指差す。
「コレは?」
「こちらは「リゴン」という果物で、とても甘くおいしいでよ」
「そうか、ひとつもらおうか」
「毎度あり!90ギルになります」
「ギル?この世界のお金の単位か?あ、こんな時こそスマホアプリ内の「異世界用語辞典」だよな」
「どうされました?お客さん?」
「すまない、少し待てくれるかな」
「は、はぁ...」
「えっーとギル、ギル...」
あ行か行と下にスクロールしていく。
「お、あった」
「ギル」とは...この世界の共通通貨であり「円」とは違い紙幣はなく、硬貨のみで金、銀、銅の三種類あり銅はそれぞれ「10ギル」「50ギル」「100ギル」「500ギル」銀はそれぞれ「1000ギル」「5000ギル」金はそれぞれ「10000ギル」「100000ギル」がある。
1ゴルは1円と価値は同等である。
「ふむふむ、ネラ「少しならお金はある」って言ってたけどいくらある?」
「1000ギルくらいですかね」
「少し貸して...」
「返さなくても大丈夫ですよ」
「いやそういうわけには...」
ネラから500ギルもらうと店主に多めに渡した
「少し多いですよ?」
「もうひとつもらえるかな?」
「はい、ありがとうございます!」
「いや、こちらこそ待たせてすまない」
「いえいえ、見てのとうり客の少ない店ですのでw」
「そうか、ならまたくるよ」
「はい、ありがとうございました」
こちらに手を大きくふっている。
「元気な店主だったな」
「そうですね...」
「どうした、ネラ?」
「いえ、あんな感じの喋り方するんですね...と思いまして」
「まぁね、言葉や口調、喋り方と言ったものは人に良い印象も悪い印象も与える事ができるからな」
「つまり、私には悪い印象を与えても問題ないと?」
「そういうことじゃないけど...」
「「けど...」なんです?」
「初めて見たときに感じたんだよ、接しやすいというか...なんというか」
「そうですか、どうやら私は京一様に言われたことができているようですね」
「言われた事?」
「はい、「ここに菊田昌という名前の奴が来るからそいつには友達のように接しやすくそして母親のようにしっかりしている存在になってやってくれ」と言われました」
「そうか、ありがとう」
「そういえば、リゴンを買ったがどうしよう...ミイ、ちょっと出てきてくれる」
「はい、マスターどうしました?」
「リゴン食べる?」
「くれるんですが?ありがとうございます!」
自分の身長の半分くらいある果物を「シャクシャク」と音をたてながらオレの肩の上で食べている。
「どうだ?」
「とてもあまくておいしいです!」
「それは、よかった。オレも食べよう...味まんまリンゴだなw」
たべながら歩いていると「武器鍛冶屋レクトロ」っという看板がかかった店の前に着いた。
「ここです」
「ここか、中に入ろうか」
「はい」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「こんにちは...」
中に入ると中年の男が奥の方で金属をたたいていた。
「すいません」
周りの音が大きいせいで聞こえていないようだ。
「すいませーん!」
さっきより多きめに声をかけると、こちらに気づいたようだ。
「誰だ~?」
「こんにちは、お久しぶりです」
「お、キョウイチのところのメイドか!」
「はい、久しぶりです」
「おう、たしか名前は...」
「「ネラ」です」
「そうそう、「ネレ」!」
「「ネラ」です」
「悪い悪いw「レラ」だったなw」
「「ネラ」です」
「細かい事は気にするな」
そういうと大声で笑い出す。
「で、今日はなんのようだ?」
「マスターの武器を買いにきました」
「ますたー?誰だ?」
そういうと、ネラの隣にいたオレを見る。
「この、ちんちくりんか」
「どうも、菊田昌です」
「キクタショウ?相変わらずキョウイチの国の人間の名前は分かりにくいなw」
「そうですか?」
「そうだとも、ショウでいいなそっちの方が呼びやすい」
「好きに呼んでください」
「そうか、じゃあコレで決まりだな!おっと、自己紹介がまだだったな」
「そうですね」
「オレの名は「レクトロ」だ「ベラル・レクトロ」だ、よろしく」
手を差し出してきたのでこちらも出し握手をすると、強く握られ腕を「ブンブン」上下にふる。
「痛い痛いです、強く握りすぎですよレクトロさん」
「レクトロさん?レクトロでいいぜ!」
さらに強く腕を振る。
「わかりました、レクトロ」
「わかりました?そんな堅苦しいのはいいぜ」
さらに強く(ry
「わかったわかったから、手をはなしてくれレクトロ!」
「悪い悪いwよろしくな」
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