隣のクラスの学年最強美少女は羞恥心がおかしい

@halumaki

第1話

 2032年。以前より話が上がっていたeスポーツのオリンピック競技採用に伴い国内のeスポーツに対する姿勢が変化。中等部の部活にはeスポーツ各種競技が認められそれぞれに応じた部門が置かれた。更に高校はeスポーツ学科を設ける学校だけでなくeスポーツ専用の高校まで設立され、引きこもりがやるネトゲと言う差別概念は消え去り一般的にも普及されていた。

 ちなみにeスポーツの競技内容は様々でFPS(一人称視点型対戦式シューティング)、TPS(三人称視点型対戦式シューティング)、MOBA(多人数参加型バトルアリーナ)、格闘ゲーム、ボードゲーム(ネット上並びに現実での物)、RTA(リアルタイムアタック)が挙げられる。この中でも特に人気が高いのはFPS、MOBA、格闘ゲームの3種類であり、其々の競技人口は他の物の倍以上の人数がプレイしている程だった。

 だが、単にゲームだからと言って競技人口が多いわけでは無い。何より、一家にほぼ必ずと言っていいほどあるPCさえあればプレイ可能な点、時間さえ事前に話しておけば友人と待ち合わせる事無くプレイ出来る点、大会競技場はライブなどで使われるアリーナなどでも可能な点、そして殆どのゲームが実質無料で行われている点(勿論課金は可能)だった。

 とは言え所詮ゲーム。なんて言葉は32年のオリンピックの際に消え去った。大画面に映る戦闘シーン。FPSだと1vs1の状態になった緊迫感が、MOBAであれば最終局面における両チームの総力戦が、格闘ゲームで言えばワンコンボが途切れた瞬間の逆転劇が映し出された瞬間、eスポーツ反対派も思わず拳を握りしめて見つめ、結果が出た瞬間唸り勝者も敗者も構わず賛美した。それ程までに人々を魅了したものを所詮と言えたものでは無い。その年のオリンピック終了後からお堅い人々が次々とスポンサーとなり一時期eスポーツ界隈のお陰で好景気に成る程だった。

 それからと言うものの世界大会は勿論WESL(世界eスポーツ連盟)の発足、国内リーグの設立、先程も述べた通り学び舎の設立、プロチーム選考委員会の発足等様々な普及活動が行われていき、翌オリンピック以降もeスポーツは競技として認定された。


 それから18年。2050年春。2年後に控えるパリオリンピックに向け日々調整を行なってるFPS部門現世界ランク1位の少女とその少女に憧れた世界ランク6桁の少年が出会う。その出会いは唐突に、そしてベタな展開を招いて。

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