第9話 とある車両の一言

「大破している・・・」

俺は現状を飲み込めなかった。

「だよ・・・大丈夫だよ・・・」

な、なんだ!?声がする!?

「俺は大丈夫だよ」

車両の方から聞こえる・・・しかし車内には誰もいない。

「まっまさか!」

「そうだよ、俺だよ」

車両が・・・喋っている!?


「お前が研修の時から見ていた。お前は俺のことをよく壊してたなぁ」

「でも今は気にするな、安静にしてろ」

「わっ分かったよ!」


まさか車両が喋るなんて・・・

「それは、翔君が誰よりも415系を愛しているからじゃない?」

この声は!

「助けがきたよ!翔君!」

「愛!ありがとう!」


その後俺は病院で数針縫った。それだけで済むなんて俺は・・・


                    奇跡の運転士だな!

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