首なしプレスカブ⑧フロントフォーク交換
八月二十九日は久しぶりの晴天でした。午前中に使い倒されたスーパーカブのフロントブレーキ周辺を整備、昼食を食べてエネルギーと水分を補給してから首なしプレスカブの修理(もはや組み立て)を続けました。
「今日の目標は『フロントフォーク交換』です」
もうね、文章にして改めて思うんです。まともなスーパーカブを買えば良かったのに、わざわざボロを買って直すんですよ。自分でいうのもアレですけど病気ですよね。
「移動用に仮付けしたハンドルを外します。まったく……ホンダさんはプレスカブ専用にウインカー取付け部の無いハンドルなんて作るんだから……」
よく考えたらプレスカブの見た目をスーパーカブにしようと考える時点でメーカー想定外なんですよね。でもね、プレスカブって私が求めるカブの形じゃないんです。私は欲しいカブはごく普通なハンドルのところに丸いライトがあるスーパーカブなんです。
「そんな事をぶつくさ言いながら作業は進んでいます。さっさと作業をしないと自立しないポンコツを悪戦苦闘して物置へ片付ける羽目になります」
夏の日差しは凶器です。私は日焼けすると真っ赤になるのです。
「頭の地肌まで日焼けすると、髪を洗うときに痛いので気を付けましょう」
え? 「地肌まで日焼けするんですか?」やと……禿げてるんだよっ!
「おおっと、スーパーカブのハンドルロックは取付け時に頭部が取れるボルトが使われているようです」
部品名は『ボルト,ブレークオフ,六ミリ』だそうです。適切なトルクで締め付けると頭の部分がポロッと取れます。頭部が取れれば当然ですがボルトの頭部に工具がかからなくなります。プラスドライバーやメガネレンチで外すのは不可能です。
「ハンドルロックを使いたいのでボルトを外します」
残念ですがブレークオフボルトを外す方法はナイショです。
「他人のオートバイに悪さをする人が読んだら一大事ですからね」
このエッセイの読者によそ様のオートバイに手を出す愚か者は居ないと京おじさんは信じています。ですからヒントだけ出します。
「私が使った方法は大きな音が出ます。電動工具を使うやり方は在りますが、私は電動工具は使いせんでした」
ハンドルロックを外したら移動用に仮付けしたハンドルを外します。ハンドルを外して徐々に下の方まで分解していきます。
「ボルト二本を外してトップブリッジを外すと変わった形のナットが出てきます。これを外せばフロントフォーク一式が外せますが、その前に車体の前側を浮かせてタイヤとフロントサスペンションを外しておきましょう」
車体にフロントフォークが取り付いたままの方が外しやすいボルト・ナットを緩めておきます。サスペンションやタイヤ周辺の部品は再使用します。部品は外したついでに掃除をしておきます。
「いよいよフロントフォークの取り外しです。ベアリングを押さえてるナットはフックレンチで……フックレンチを使うまでもなく手で緩みました」
ここは緩すぎるとガタが出て、締め過ぎるとベアリングを痛めてしまいます。とはいえ何の抵抗も無いのは緩すぎです。あちこちを掃除したり点検しながら約十五分、亀裂の入ったフロントフォークが外れました。
「この際ですからフォークを組んだら手が入らない部分を掃除しておきましょう」
ステム周辺は手が入りにくい場所なので掃除しておきます。ここが作業の折り返し地点、古くなったグリースを拭い取ってからパーツクリーナーで清掃します。パーツクリーナーが乾燥したらステムベアリングのグリスアップです。
「ステムベアリングに塗るグリースはタミヤのアンチウェアグリースを塗りました。正しいかどうかはわかりません、多分ですが正しくないと思います」
ちなみにアンチウェアグリスはかなり潤滑性が強いグリースです。手に付くと取るのが大変なくらいねっとりと素材に絡みついて潤滑します。
「ステムベアリングにはアンギュラコンタクトタイプのボールベアリングが使われています。これは軸に対して垂直だけでなく水平方向の加重も受けるタイプです」
少し強めにナットを締めてベアリングを落ち着かせ、ガタの無い程度までナットを緩めて固定する『プレロード調整』が必要です。
「同じような作業がトヨタ系だとカローラの一部車種およびカローラⅡのリヤハブでありました。あちらはテーパーローラベアリングですが似たようなものでしょう」
フロントフォークにガタが無くスムーズに動く様になったらトップブリッジなどの部品をを取り付けて元に戻します。今回もまだハンドル周りは仮組みです。
「タイヤを取り付ける前にフロントフェンダーを取り付けてしまいます。上部のボルトはタイヤを取り付けた状態だと工具をかけにくいのです」
ここで時間切れ、今度の週末は土・日の連休ですが病院へ行ったり新型コロナ肺炎のワクチンを受けに行ったりで予定が入っています。なるべく作業を進めるようにしますが更新は遅れるかもしれません。
次はリヤフェンダー内の錆対策をしたいと思います。
ではまた次回にお会いしましょう。
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