プロジェクトX①君の名は…

 ホンダジャイロX

 1982年デビューの3輪スクーター。当初は2WDのオフロード的に使えるレジャーバイクとして登場したが、積載性が注目されて配達業務に多く使われるようになった。


 デビュー当初は左側タイヤは完全に駆動されておらず、デフクラッチを介して駆動され、コーナリング時の左右タイヤの回転差はデフクラッチを滑らせる事で吸収していた。


 ※追記

 整備書によれば泥濘地や荒れ地など、スリップしやすい状態で駆動輪(右タイヤ)がスリップした時にロックして左のタイヤへ駆動力を伝える物だそうです。つまり、普段は右タイヤの一輪駆動って事ですね。


 1989年の大規模変更によりデファレンシャル追加。

 それまでのモデルは右側タイヤの減りが多かったが、これ以降は両方とも

 平均的に減るようになった。


 長年作り続けられているので、年式によって大きく部品が違うので注意。

 初期型はメーカー側の部品供給が終了している部品も有る。


 どうも、京丁椎です。ザックリですがホンダ・ジャイロについて調べてみました。こんな感じで合っているのでしょうか?

 ※追記 間違っていました


「おいおい、いきなり何でジャイロの話なんだよ」って聞こえた気がしますが…


 あ、そうそう。題名ですが、少しだけ変えました。

『京丁椎とスーパーカブのエンジン』だとエンジンばかりの話になるのと、

 カブ系以外のバイクを触った時に違和感があると思いまして、変更です。


 題名は変わりましたが、やっている事は何も変わりません。


 前回、スーパーカブ以外のバイクを整備する事でスーパーカブの偉大さを改めて思い知らされた私ですが、そのスーパーカブの偉大さを私に教えてくれたジャイロXが今回の主役です。


 で、今回から数回は貰った初期型ホンダジャイロXを修理する話です。ジャイロXと聞いてピンと来ない方がいらっしゃると思いますが、ピザ屋さんが使ってるバイクの屋根無しといえば思い浮かぶでしょうか?


 せっかく我が家へ来たのだから動く様にしたいと思います。ジャイロX復活計画です。『プロジェクトX』とします。ジャイロXのXから取りました。


 え…N〇Kの番組のパクリじゃないんだからねっ!…失礼いたしました。


 今回、私が入手したジャイロXは車体番号がTD01-13×××の前期型です。


 調べたところ、登場した1982年から1年間の生産車はフロントタイヤが8インチだったそうです。これは『ド初期』と呼ばれ、前期型の中でも最も初期の型で初期型と区別されるそうです。初号機ではありません。


 旧車なら希少価値が出るモデルも有るそうですが、ジャイロは違うようです。新しければ新しいほど乗りやすくて完成度が高い。しかも外見が変わらないなら新しい方が価値が在って当然でしょう。


 今回入手したのはフロントタイヤが10インチ。1983年のマイナーチェンジ後から1989年まで作られたモデルだそうで、少なくとも29年前、下手すると35年前のバイクですね。H・Y戦争と呼ばれたバイクメーカー間の戦いが在った頃でしょうか?

 ※フレームナンバーで調べたら85年以降に製造されたみたいです。前オーナーの書類を見たら町村合併前の平成元年に登録してありました。中古で買ったのかもしれませんが、少なくとも三十年前のバイクであることが決定です。


 このジャイロ、「右のタイヤばっかりが減る。直せんか?」と言われていたのですが、私の体の不調も有り、修理はお断りしていました。そんな事を言っていた数か月後、「バッテリーが上がってセルが回らん」「エンジンがかからん」「キャブを整備したけどアカン」と次々と不調になりまして、とうとう「バイク○に連絡してみる」となりました。


 持ち主が電話でバイク○に聞いたところ

「最高で2万円。そこからマイナス査定になります」だったそうで。

 それなら私のオモチャにと貰える事になりました。


 愛着があるバイクだったらしく、もしも私が飽きたら買い戻すつもりかも。

 だったら、コツコツとお金を掛けずに直して買い戻して貰えるくらいにしようかな?


 動かなくなるまでは実動で元気に走り回っていたのは見ています。

 無茶な使い方はしておらず、田んぼの見回り・犬の散歩・お買い物と普段の足として長年動いていた車体です。改造歴も無し。ボロい所は有りますが手付かずです。

『ボロのスッピン』で『希少価値なし』は遊ぶ素材として最高です。


 しばらく置いてあったので車体はホコリまみれでした。触るだけで手が汚れてしまいます。何はともあれ洗車です。水を掛けると、あちこちから田んぼの粒子の細かい泥が流れ出て来ます。下回りもコッテリと泥の塊が付いていたので洗い流しです。ここで駐車場が泥まみれになったので洗い流し。


 ざっと泥を洗い流した後はカーシャンプーとスポンジで丸洗いです。

 泥泥ドロドロだった外見は何とか普通のポンコツ程度になりました。


 キレイになった所で外観チェックです。欠品は特になし、リヤタイヤはひび割れ、溝は右1.0㎜・左2.5㎜、ホイールに錆有り。前後キャリアに錆有り、フロントウインカーレンズ片側破損…と言ったところ。


 ザックリ外観を見た後で機能系のチェック。電装は全て点灯・点滅OK。ブレーキは……レバーは固くない。パーキングロックもかかる。バッテリーは上がり気味。セルは『クゥ』と音は出るから動くと判断。ホンダ車に多いキックペダルの固着も無し。


 続いてエンジン・駆動系。キャブレター周辺は泥・油・犬の毛で掃除が必要。スパークプラグは減っていて要交換。エンジン周辺は汚れは無いけれど、冷却フィンに犬の毛と泥が詰まっている。


 前オーナーが「キャブは掃除したけど掛からん」と言っていたのでキャブは一応動くと判断してキックペダルを何回か踏みましたが反応なし。


 キックを踏んだ感じでは圧縮は有ると判断しました。

※後に詰まり気味だった事が判明。その後つまりを解消できず社外品に交換


 燃料・圧縮と来ればあとは火花。プラグを車体の金属部でアースしてキックすると


「火花が出ん。どこかで電気が来てないな」


 本当はテスターを使って知らべなければいけない所ですが、試しにモンキーのイグニッションコイルを仮付けしてキックすると火花が出ました。


 で、仮付けですがモンキーのイグニッションコイルを繋いでキックペダルをすると


 プルン……プルン……ブンブンブンブン……


 爆煙と共にエンジンがかかりました。運悪く隣の家の方が帰ってきたところです。ご近所迷惑になったので、即、謝りました。


 ここで私の体力が尽きて今日の作業は終わりです。とりあえずエンジンはかかったのでゴミにならずに済みそうです。


 さて、この初期型ジャイロX。部品は集まるのか?次に整備する所は何処だ?


 そして、筆者の体力は大丈夫なのか?


 しばらく続きます。

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