16日目 伸びる影

愛おしい時間が過ぎていく

ひとつ ふとつ 重なって 影

私たちはひとつになる


ららら ららら ららら

ゆら ゆら 揺れて

明るすぎる車のライト

遠くへゆくあなた


揺れる影がどこまでも

どこまでも伸びていく


ねえ

会うたびに

懐こい犬みたいに

茶色の髪揺らして笑ったり


いっぱい口に詰め込んで

ニコニコ食べるあなたが

私好きだった

大好きだった


名残惜しく

何度も何度も

あなたの顔

あの子の顔

みて

ゆらゆら

揺れる影

ずっとひとつでいてと

願った


きっと忘れない

真っ白な車のライトと

泣いたあの子

真っ白な顔と

私たちの

真っ白な息と

長く伸びたひとつの影

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

霞む MM @nn_nn

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ