14日目 柔和

とんちんかんな

私の挙動を横目で捉えた

君が遠くで

静かに

優しく

笑っている


下がる目尻

緩む口元

ああ

よかった

君も

時折

きちんと人間に戻る


その瞬間は

まるで木漏れ日の当たる

優しい廊下や

はちきれんばかり

膨らみきった花の蕾や

さわさわと頬を撫でる

ぬるい海の風のように

心地よく 幸福に近い


ずっとそんな君がいればいいのにと

願うばかり


なにも持たぬ私は

今日もとんちんかんで

構わないから

最後に君が

ふ、と笑うの

楽しみにしてる

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