12日目 眼差し

巡る巡る

想いが巡る

ふと

湧き出たあわれみが

忘れた頃に

自分のもとへと

戻ってくる


巡る巡る

心が巡る

あの時感じた自分の心が

遠くの方からぼんやりと

気の毒そうな顔をして

じっと

こちらを

のぞいてくる


のまれる

のまれる

巡ったわたしに


あの日

あの時

わたしのあわれみは

こんなにも

冷たいものだったのか


一度のぞかれたら

のぞく自分には戻れない

あわれんだわたしは

もうここにはいない


強かっただろうと

思えば思うほど


巡ってきたその瞳は

まるで他人のように

冷たく淀む

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