煉獄少女

影山 雪奈

プロローグ

神様。他の人間には与えたものをどうして僕にはくれないのですか。僕も外の世界をみてみたい。走ってみたい。みんなと学びたい。喧嘩して仲直りして…。

友達が欲しい。ひとりぼっちは嫌。動きたいのに身体が言う事をきかない。こんな病気にかかっていなければ今頃僕はきっと……。



分かってる。僕が迷惑かけている事。本当は立派な後継ぎになって、家を支えて欲しかったんでしょ。お金をかけても治らない僕が邪魔だったんでしょ。お母さんをノイローゼにして自殺に追い込んだ事も知ってるよ。表向きには病死になってるけど。




待っててね。お母さん。僕、今そっちに行くよ。こっちの世界では幸せになれなかったけど、あの世の世界で幸せになるの。あの世ではきっと身体が自由に動いていっぱい遊べるの。友達もたくさん出来て、ひとりぼっちになることなんてないよね。僕はもうすぐ動けなくなる。そしたら死ぬ事さえ許されない。まだ自由がきくうちに……。お母さんに会いに行けなくなる前に……。

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