春夏秋冬 少女たち。
雪奈
春
桜の咲く、はじまりの季節。
私は恋をした。
丁度、桜が満開の入学式。
私は、自分とは違う色をしたリボンを付け違う色をした上靴を履いている生徒に釘付けになった。
整った顔立ちのその生徒は、サラサラした綺麗な黒髪をヘアゴムで縛り、前髪に銀色のヘアピンを付けていた。
入学式のなかでその生徒が、生徒会長であると分かった。
前に立ち、話している姿がかっこよかった。
見ているだけで、何かが満たされるようだった。
ドキドキする。
なんとなく、私はこの人が好きなんだと思った。
でも学年が違う様だし、その人は女の子。そして私も女の子。
自分でも普通じゃない、おかしいんだと思った。
こんなことははじめてだった。
そもそも、恋すらしたことも無かった気がする。
どうすればいいのか分からない。
友達に相談するのもこわかった。親に相談するのも。
だって、今まで男の子に対しての相談しか聞いたことが無かったから。女の子が、女の子に恋をするなんて聞いたことが無かったから。
だから、私は誰にもいわずに生徒会長に恋をする――――――
4月 入学式
春風 桜
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