流し読みのレベルアップツール 視野の拡大

 単語読み・文節読みと視野の拡大は切っても切り離せません

 たとえば



           焼肉定食



 この四文字熟語(?) 視野が狭いと焼肉と定食に分けて読まなければなりません。視野が広いからこそ、四文字全部一気に読めます。

 


 先程から、「見る」と「読む」が混在しているのに気づいた人がいるかもしれません。

 基本的に速読は「文字を読むのではなく、見る」ことを主体としています。

 スマフォアプリに、単語がパッパッと現れるものや、そういう訓練の動画を観た事があるかもしれません。

 理想は「見て、後で理解する」「見た瞬間に理解する」「文字は決して読まない」なのですが、


 そんな訓練はすっ飛ばします。


 もちろん、これらが出来れば流し読み速読法が飛躍的に早くなります。そんな方法もあるんだよ程度に覚えてもらえればいいです。

(ちなみに、大体の速読法は『見る』ことに重点を置いてます)



 続いて、さらに視野を拡大するために行う訓練です。

 ほとんどの人は、利き目以外の目は休んでしまっていて視野が狭まっています。それを使えるようにする訓練です。


1.どこでもいいので、広い空間の中心を見ます(鏡・看板・グラビアなどなど)


2.中心を見たまま、隅を見ます。この時、視点を動かさないようにしてください。


3.時計回りに、あるいは反時計回りでもいいです。2の要領で空間の端を見て回ります。



 この訓練で得られる効果は、【二行以上の文章を一気に読める】【文章を一行ごとまるまる一気に読める】となります。

 小説を読む時、両目を使うように意識してみてください。

 もうひとつ、両目の訓練に効果的なのが「立体視」です。



1.親指を両手で立て、目と同じ感覚に開きます。


2.ゆっくりと、両方の指を前後させます。


3.三本目の指が錯覚として真ん中に現れたなら、あなたの目は両方とも働いています


 立体視も慣れるまで大変苦労しますが、一度コツを掴めば忘れることはありません。

 女性に興味がある人なら、ヌードモデル写真でおっぱいの立体視訓練すると身につくのが早いかもしれません。五百円玉二枚でもいいですし、同じフィギュア二体でもいいです。

 もっとも興味のある物で練習するのが一番です。


 広くなったかなと思ったら、練習文で試してみましょう。



――

 百合のようにしなやかで細く美しい少女が、私よりも膨よかな胸を押し付けて腕を首に回してきた。そこから感じる暖かさと、牡丹ぼたんのように整った顔立ちに頬が熱くなった。

――



 これまた私の小説の冒頭です。

 もしも視野の広さを獲得できたなら、二行くらいぱっと見えると思います。

 ほとんどの速読法は、1ページから2ページまるごと見て理解するまで訓練させますが、そんなことはいいです。二行あるいは三行みえればもう十分です。


 気をつけてほしいのは、「二行の文章すべてを理解しなければならない」ではなく「見えること。単語が2,3把握できること」です。


 見た文章をいきなりすぐに理解できたら、速読として才能あります。そんな高いハードルはこのエッセイにはありません。

 

 見た文章を全部理解できないのに、どうして話が分かるようになるんだ?

 という疑問にお答えする前に、コラムでティータイムを。

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