隠居が通る23 直ぐに潰しては面白くなかろうと笑うと、わが殿を愚弄なさるのかと言うので、鍛えてやっているのだ、江戸に帰りつくころまでには、ちっとは知恵もつくだろう、春日


隠居が通る23


直ぐに潰しては面白くなかろうと笑うと、わが殿を愚弄なさるのかと言うので、鍛えてやっているのだ、江戸に帰りつくころまでには、ちっとは知恵もつくだろう、春日の局の倅だと思、

っての、増長した振るまい許しがたい、江戸に帰ったら切腹ではなく張り付け獄門にしてくれる、上様と春日の局がどう言うおうと、市中引き回しの上張り付け獄門だと言うと、


貴方は恐ろしい人だと言うので、よく、鬼人だと言われておる、東郷全員の縄目を解けと言うと縄を切ったのです、それではこのまま解放するので次はもっと上手い手を考えて待ち受け、

ろ、正俊には捕まった事は言うな、言えばお前達は切腹か風間に始末されるぞ、さあ行け、東郷城の外まで送ってやれと言うと承知と言い、みんな立つのだ命が助かって良かったな次は、

その首と胴はついていないぞと言ったのです、


次ぎにそなたが岩国藩の首席家老だな、岩国藩を毛利から完全に独立させると言う餌に食いついたのだろうが、正俊如き1人の力でできる事ではない、全ては上様が決められる事であると、

言うと、助勢しなくば岩国藩は改易すると言われたので御座いますと言うので、その書付を出すのじあと言うと、懐から出すのでこれはわしが預かると言い、今回は改易は免れんがと言、

うと、


何とぞ私めの命に代えて藩の改易はお留まりくだされと言うので、ならば藩主義時殿の隠居とそちの隠居にて改易は勘弁してかわそうと言うと、私は異存ありませぬが殿の件は私の一存、

にては決めかねますと言うので、もうすぐ来られるだろう、お聞きして責任のがれされるなら、改易も仕方あるまいといったのです、程なく吉川義時があらわれて、今回の不始末ふかく、

お詫びいたしますと頭を下げるので、


この不始末どうされるつもで御座るかと聞くと、それがしが老中稲葉正俊殿の甘言に乗ってしまった事に、御座りますれば切腹おうせつかっても致し方御座りませぬ、存分な仕置きをお、

願いいたしたい、又藩主の責ならば藩士の命だけはお助けくださりませと言うと、家老が殿責めは私めが取りますと言うので、なぜ甘言に乗ったのじあと言うと、義時が我が藩祖元春は、

関が原のおり、


長州藩が滅亡しないように徳川方と内通して毛利軍の麓に陣取り、毛利軍が戦闘に参加しないようにしたので御座る、これによって辛うじて改易を免れたので御座います、元春様は毛利、

が36万石に減俸されましたので、自分の領地を毛利家に返上してこの地3万6千石に甘んじたので御座います、しかるに毛利本家は関が原にて邪魔をしたとして、影日向に治世の邪魔をし、

ているのです、


元春様は主家は毛利本家なれば我慢しろと、藩士に言い聞かせて我慢しているのです、幕府からは関が原の功を認められて大名扱いして貰っておりますが、それが本家は気にいらないら、

しく、私の代になり西の20ケ村6千石を自領に取り入れて、年貢を毛利本家に納入させ始めたのです、幕府に直訴しましたが形の上では毛利36万石になっているので、中で話し合うよう、

にとの事でございます、


毛利本家は耳をかさず、やむなくこの申し入れに乗った次第に御座いますと言ったのです、元春殿は元気でござるか、それがしも関が原では毛利が動けないように右翼に陣を張り、元春、

殿が左翼に陣をはったので御座ると言うと、この件に関しては強く反対なされたが、隠居の身なれば藩で決めるが良いと言われたので御座います、藩士の多くは独立を望んでおり、加担、

する事になったので御座る、


元春様はたとえ1000人いても正直殿には勝てないだろうと言われましたが、たかだか5人なれば討ち取れないはずはない、と言う事になったので御座います、しかしこの始末になりまし、

たと言い、今日はそれがしの後見役として着いてきてくださっていますと、言うので、それではここにお通ししろと言うと、家老が呼びに行き前に座り、お久し振りに御座る、我が孫の、

軍勢はていもなく捻られたそうに御座いますな、


あれほど正直殿には勝てぬともうしましたが、隠居の身なれば止める事などできませんでした、この際は、キッパリと改易にしてくだされと言ったのです、関が原からのご心中お察しも、

うすと言うと、安国寺などの茶坊主に輝元殿がたぶらかされたのを、止める事が出きなかったので、御座れば致し方ない事に御座ると言うので、それでは今回の責任を取り、義時殿と、

首席家老には隠居して頂く、


義時殿の世子に家督は譲り、まだ元服前なれば元春殿は高齢なれど後見役をやりなされ、なお、岩国藩は3万6千石に毛利藩から1万4千石の近隣領土を割譲して5万石として独立を認めさ、

せましょうと言うと、何と正直殿に逆らおうたのに御座るかと元春が言うと、関が原の苦労賃で御座る、幕府がちゃんとしなかった事に単を発しているので、この辺でけりをつけまし、

ょうと言うと、


それはあり難いがどうやってと言うので、6千石の領地を侵しているのは毛利本家で御座る、ここ大竹藩は毛利と浅野の監視役なれば、不穏な動きあらばいつでも兵を、動かす事ができ、

ます、大竹藩の軍勢1000と岩国藩の兵ここにいる200人と領地にいる200をここに終結なされ、総大将は冬正にて元春殿は兵を率いそれがしと出陣して総勢1400で毛利本家が占拠してい、

る場所に侵攻しましょう、


さらに1万4千石分侵攻して兵をとどめて本家と交渉しますると言うとと、しかし、それでは幕府は何とというと、大丈夫で御座るはっきりしていなかった事をはっきりさせるだけで御座、

る、それで改易されるなら本望でござると言うと、冬正が父上が申される事は承知いたしました、義の為ならば大竹藩の改易くらい恐れるものではありませぬと言うので、正直が冬正よ、

う言うた、


それでこそ本物の武士じあと言うと、義時が我が藩の為ににそのような、助力をいただけるとはかたじけのう御座います、元春様よろしくお願いしますと言うと、そなたの倅の為に老骨、

にムチをいれるぞ、そなたは立ちもどり藩兵を率いてここに戻ってくるのじあと言うと、承知しましたと帰っていったのです、冬正が岩国藩兵に武器を返し戦したくをさせよ、また今日、

は前祝いをやるぞと言うと、


元春が岩国藩兵を整えますと言うと部屋を出て行ったのです、東郷と佐々木にご苦労であった今日はここで前祝いをやるぞと言うと、東郷が殿のお手並み見事で御座りますなあと言うの、

で、こうなるんだったら、もう少し押さえて岩国兵を温存すべきであった、沢山怪我させてしもうたと言うと、正冬が父上の失策に御座りますなあと笑ったのです、ひとまず風呂に入る、

ぞと言って風呂に行ったのです、


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