野良猫アルの伝説~猫情ゴム風船

アほリ

1#野良猫アルが行く

 とぼ・・・


 とぼ・・・


 とぼ・・・


 とぼ・・・


 


 野良猫のアルは、無頼の野良猫。


 街から街へとさすらい、


 行く先々で喧嘩をおっぱじめ、


 強きを憎み、弱きも時には憎み、


 野良猫アルを慕い、そして死んでいった舎弟は居ず知らず・・・


 斑模様の身体中に刻まれた傷跡は、潜り抜けた修羅場の数。


 流れる涙も振り捨てて、


 今日も、都会という荒野を彷徨い歩く・・・



 他の猫達は、彼の事をこう呼ぶ。



 『さすらいのアル』と。

 

 


 

 

 

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