第249話 サンヅキ拠点南側市街地殲滅作戦
1度集結したツバキ小隊は、区役所に立て籠もった敵を迅速に殲滅するため方針を決定すると、再び散開していく。
確認できた敵戦力は1小隊のみ。
それで全てではないはずだから、少なくとも2小隊規模。建物の大きさを考えれば1中隊収まっていても不思議では無い。
それをたった8人で殲滅しようというのは、数だけ見れば無茶な話だ。
今敵が立て籠もっているのは、ツバキ小隊の正確な人数も所在も明らかに出来ず被害ばかりがかさんだため、包囲して数によるごりおしをする他なくなったからに過ぎない。
少数であることが露見すれば、今すぐにでも打って出てくるだろう。
『狙撃班はそのまま区役所に張り付いて。
撃てる敵は撃って構いません。敵を外へ出させないで。索敵ユニットにも警戒を』
「はい。分かりました!」
ナツコは返事をして、共に移動中のフィーリュシカのほうへ視線を向け指示を仰ぐ。
「2手に分かれる。
攻撃は退路を塞いでから。ただし一歩でも外に出た敵機は即座に仕留めて」
「はい。では私は北側へ回ります」
「任せる」
フィーリュシカはナツコに単独行動を許すと、そのまま先行して区役所南側へと進路をとった。
フィーリュシカの機体〈Aino-01〉は、アイノが設計した小型超高出力コアユニットに、イスラとカリラが設計した機体を合わせた高速突撃機だ。
装甲を取り払い機動力に特化した機体。新材料を用いたフレームは軽量ながら高い剛性を有し、重砲の運用も可能だ。
設計コンセプトは〈エクリプス〉に近い。
異なるのは〈エクリプス〉より高速であること。そして指揮官機向けの電子兵装の搭載能力が無いこと。
フィーリュシカが装備することを考えれば、誘導妨害も戦術レーダーも必要無い。
誘導弾の類いは撃ち落とせるし、レーダーが無くても敵は発見出来る。
主武装は42ミリ対装甲砲。高いコアユニット出力によって得られた積載能力は、その専用弾薬と予備砲身の搭載にほとんどを費やされた。
高い機動力で移動し発見した敵を撃ち抜く。
非常にシンプルだが、それを可能に出来るフィーリュシカと組み合わされて、誰にも止められない機体となっていた。
ナツコは先行したフィーリュシカの背中を見送って、区役所の北側を抑えるべくルートを変更。
周囲から敵機の気配は消えていた。全てあの区役所へと待避しているのであろう。
進みながら、発見した索敵ユニットを個人防衛火器で撃ち抜いていく。ツバキ小隊の数と位置を把握したいのだろう。市街地内の至る所に索敵ユニットがばら撒かれていた。
数は多いが意識を集中すれば発見は容易だった。
目的地点まで到達。とりあえず所在を誤魔化すために更に進んで索敵ユニットをいくつか破壊して引き返す。
6階建ての宿泊施設。5階以上なら区役所も目視確認可能。距離は800メートル離れている。
配置完了と同時にフィーリュシカへ報告。
「ツバキ6。北側配置につきました。
敵機目視確認中。北側は重装機が多いです」
戦術データリンクへ敵機情報を共有。
重装機〈T-7〉に重対空機〈ピルム.MkⅢ〉が合計6機。
「あれって第5世代機ですか?」
始めて見る〈ピルム.MkⅢ〉にナツコは尋ねる。
返答は西側配置についているイスラから返ってきた。
『世代的には第4世代機だな。
第4世代重装機〈サリッサ.MkⅢ〉改修型の重対空機だ。
重対空機ながら低高度高速機の迎撃もこなせるバランス型。
リルちゃんはあんまり近づかない方が良い』
東側へと移動中のリルからは「なんとでもなる」と不満そうな返答が返るが、タマキは距離を詰めすぎないようにと指示を出した。
指示を受けたリルと、地上を進んでいたカリラが区役所東側へと配置完了。
入り組んだ市街地を敵に発見されないよう進んでいたトーコの〈ヴァーチューソ〉も南西側に配置についた。
『全機配置完了。
ツバキ8、外壁は抜けそうですか?』
タマキからの問いにトーコが答える。
『コンクリートが厚すぎる。
共鳴使っても穴開けるのが精一杯かも』
『元は大戦中、宇宙空間からの砲撃に備えるため建造された地上基地。
90ミリ砲では厳しい』
フィーリュシカが付け加えると、タマキは通信機に漏れないよう小さくため息をついて、それからすっかり南側市街地を取り囲むように展開している敵機情報に再びため息をつく。
あまりのんびりもしていられない。
『了解しました。
狙撃班攻撃開始。可能な限り敵機を減らして。ツバキ8は攻撃姿勢のまま待機』
「はい。攻撃開始します」
命令を受けたナツコは20ミリ機関砲を構える。
距離は800メートル。狙撃するには申し分ない距離。
姿を見せている敵機に意識を集中。
重装機が多い。この距離、20ミリで正面装甲は抜けない。
脆弱部を狙って照準を補正。
6機とも一気に破壊するには緻密な照準補正が必要だ。1機目へ攻撃開始してから6機目へ攻撃するまで時間をかけすぎたら回避される。
「もうちょっと威力が欲しい」
無いものはどうしようもないのだが、それでも呟いてしまう。
しかしDCSがあることを思いだし電磁気制御を呼び出す。電磁レールを展開すれば砲口初速が上がるから貫通力も上昇する。
DCS使用を前提として照準を再計算。5、6機目でDCS使用。脆弱部から若干逸れても貫通可能な照準を設定。
「ツバキ6、攻撃開始」
フィーリュシカへと報告。即座に承認が得られたので、仮想トリガーを引ききる。
4発連続発射。発射完了と同時にDCSの実行コマンドを叩く。
>DSC 電磁気制御 : 加速
純粋なエネルギーが電気エネルギーへと変換され、20ミリ機関砲の砲身に沿って電磁レールを展開する。
炸薬によって撃ち出された砲弾は更に電磁レールによって加速され、後退開始していた敵機の装甲を撃ち抜く。
「攻撃完了。6機破壊確認。
移動します――敵機発見」
『攻撃続行を』
ナツコは移動しようと後退し下り階段を目指す途中、敵機の影を見て振り返った。
砲撃に反応して狙撃手の迎撃に出てきた重装機2機。
区役所1階から飛び出して来たそれは、56ミリ砲を装備し、ナツコの居る宿泊施設へ照準を向けていた。
「はい。攻撃続行します」
ナツコは下り階段を飛び越えて、窓を突き破って外に飛び出す。
敵機へと意識を半分向けておいて、念のため56ミリ砲の砲口を確認。建物への砲撃のようだが問題無し。徹甲弾でも榴弾でも、どちらにしても既に待避完了済み。
問題は相手の装甲。
出てきたのはどちらも〈サリッサ.MkⅢ〉。拡張装甲を備え、先ほど攻撃した重装機より防御が高い。
20ミリ砲で抜けそうな場所に目星をつけつつ、無理だったとしても攻撃能力は奪おうと56ミリ砲の薬室周りも観測。
4発撃って撃破出来ればそれで良し。出来なくても56ミリ砲は封じられる。
敵機が発砲。
まだナツコの詳細な位置を捉えられていないからか建物への砲撃だ。
2発同時。1発は1階へ向けた焼夷弾。1発は先ほどナツコがいた5階へ榴弾。
窓から飛び出していたナツコは外壁を蹴って狭い路地を渡り、1メートル向こうの建物へ。
足を突き立て、外壁を削りながら落下速度を調整。
砲弾が先ほどいた宿泊施設へ着弾。爆発の衝撃に機体が揺れる。
そのまま壁を蹴って元いた建物へ。
ガラスの割れた窓から転がり込み、砲撃完了して後退する敵機へと照準を定める。
機体への攻撃と、56ミリ砲への攻撃。2発ずつ2機へ向けて合計4発。
照準完了と同時に、区役所側の窓から飛び出して攻撃開始。
3発命中。1機は撃破。だかもう1機は56ミリ砲を使用不可能にしたが健在で区役所内へと引き返していく。
再度照準設定。
姿を思いっきり現してしまったので急ぐ。
背後へワイヤー射出。宿泊施設外壁に戻るとアンカースパイク展開。射撃姿勢を安定させ3発だけ撃ち込む。
――命中。
なんとかギリギリで射線が切れる前に撃破完了。
しかしそれどころじゃない。姿を露見させてしまったので、死角からマイクロミサイルが飛んできている。
しかもこちらはたった1機なのに40発近く撃ち込まれている。
アンカースパイク解除。自由落下開始。建物内に逃げ込もうとするが、1階は先ほど撃ち込まれた焼夷弾で盛大に燃えていた。
酸素マスク着用。拡張装甲を外したとは言え第5世代〈R3〉だ。周りがちょっと燃えていようが数十秒なら耐えられる。
1階に逃げ込み、飛来するマイクロミサイルとの射線を切る。
だが最新のマイクロミサイルは頭が良くて、愚直に真っ直ぐ進んで壁に当たってくれたりしない。
実際は半分くらいそうなったようだが、残りは迂回して解放された窓や、先ほど焼夷弾の撃ち込まれた正面扉から追尾してくる。
「ちょっと多い。でも――」
頭の中でスイッチを叩く。
意識を向けられた右脳奥の特異脳が演算を開始。周囲の空間から余計な情報が削り取られ、世界は灰色に染まった。
飛来するマイクロミサイルは18発。
全ての現在地、速度、保有エネルギーを確認。
1つ1つに注目し、後部噴出口の動きを子細に確認。今後の飛翔経路を計算。完了。
右手に持った個人防衛火器を横に払いながら5発だけ発砲。
撃ち出された小口径高速弾は直撃コースをとっていたマイクロミサイルへ命中。
マイクロミサイルが空中で弾け、近くを飛んでいたミサイルがその余波で誘爆。更には新たに出現した熱源によって誘導を阻害されたミサイルがあさっての方向へ向かい爆発。
18発全てをやり過ごした。ナツコは特異脳を休止させ、急いで外へ向かう。
超高温で燃える建物内にいつまでも立て籠もっているわけには行かない。
そうでなくとも場所が露見しているのだ。立て籠もっていればもっと大型のロケットなり迫撃砲弾なりが飛んでくる。
相手の方が数が多いのだから無茶は出来ない。
建物から飛び出し、隣の建物へ。
区役所と一瞬射線が通った。3階の小窓の向こうに突撃機を確認。とりあえず1発撃ち込む。多分命中。
隣の建物へ無事に入り込むと、所在を分からなくするために移動開始。
周囲に索敵ユニットがこれでもかと言うほど撃ち込まれている。個人用防衛火器の弾倉を交換し、それらを潰しつつ移動。
多分もう大丈夫、という所まで来た。
一息つきながら報告。
「ツバキ6。一時的に後退中。
ごめんなさい。ちょっと考え無しに動きすぎました」
攻撃しろとは言われたが、姿を現せとは言われていない。
もっと慎重に動くべきだったと反省する。
しかしタマキのほうはそれほどナツコの動きについて悪く思っていない。それどころか、むしろ好意的に捉えているようだった。
『無事なら結構。
それに、そちらで敵機を引きつけてくれたおかげで他方面が自由に動けました』
「そうですか?
お役に立てたなら良かったです」
北側の監視に戻るべく移動しながらナツコは返す。
何はともあれ作戦が上手く進んでいるならそれでいい。
南側市街地を包囲した帝国軍中隊が段々と包囲網を狭めてきているのが不安要素ではあったが、包囲網の薄いところを突破するくらいならナツコにも出来る自信があった。
駄目でもフィーリュシカがなんとかしてくれるだろうと楽天的に捉え、とりあえず今は区役所に立て籠もる帝国軍へと集中する。
区役所に立て籠もった帝国軍。
いまだ数は不明だが、恐らく小隊規模から中隊未満。
ナツコが北側を監視できる地点に動いたことで、退路は再び断たれた。
北側をナツコ。東側をリルとカリラ。南側をフィーリュシカ。西側はイスラ、サネルマと指揮官のタマキ。主力のトーコは南西側に配備についている。
『で、退路塞ぐのは良いけどどうやって攻めるつもり?
90ミリじゃ建物壊せないんでしょ?
8人で退路塞いで、一体誰が強襲かけるのよ』
リルが最もな指摘をする。
市街地戦。特に相手が防備に着いている際の作戦は、偵察・包囲・強襲の3つに分けられる。
偵察によって敵の所在、規模を明らかにし、包囲によって退路を断ち、強襲をかけて殲滅する。
本来はそれぞれ別の部隊で行われるべきだが、ツバキ小隊は8人しか居ない小部隊だ。
偵察は敵が勝手に一カ所に籠もってくれたので、数は明らかになっていないが一応良し。
包囲は薄いところもあるが、敵が拠点から出てくれば仕留められる環境はとりあえず整っている。
しかしここから強襲となると問題だ。
8人で包囲し、一体誰が強襲を仕掛けるのか。
避けては通れない大問題に対して、タマキはしれっと問う。
『ツバキ3。単独で区役所内の敵機を殲滅可能ですか』
『問題無い』
対してフィーリュシカも事もなげに答えた。
『結局そこはごり押しなのか』イスラが口を挟む。
『ごり押しでは無く最適な人員配置。
突破口はツバキ8が作ります。周囲から援護射撃も可能。問題無いでしょう』
タマキは何か問題があるのかと平然と答えた。
イスラもそれには「問題ありません」と答えるしかない。
『理解出来ればよろしい。
ツバキ3。前進して突入準備。
ツバキ5。南東側へ移動』
フィーリュシカは了解を返し前進を始める。
カリラも南側の監視の穴を埋めるべく移動した。
全ての配置が完了。
敵機は表に姿を見せることは無くなっていた。
その分周囲に対する観測も出来ていない。
南側市街地の包囲もかなり狭まってきている。
悠長に構えている暇は無いと、タマキは配置完了と同時に攻撃開始命令を出す。
トーコの〈ヴァーチューソ〉が姿を現し、両腕に装備された90ミリ砲を区役所へ向けて放つ。
共鳴によって螺旋を描く発砲炎。
撃ち出された徹甲弾はコンクリートの外壁に突き立つと、共鳴の効果でその物理的強度を無視して砕く。
それでも分厚いコンクリート壁を完全には崩せない。
共鳴が再使用可能になると再度発砲。
砲弾は先ほど撃ち込まれた砲弾と同じ場所に突き刺さり、分厚いコンクリート壁に穴を穿った。
『貫通確認。このまま攻撃継続』
『お願いします。全機前進。包囲網を狭めて』
ツバキ小隊は区役所へと向けて距離を詰めていく。
フィーリュシカは突撃を開始。区役所内から攻撃が繰り出されるも、〈Aino-01〉は高い機動力でその全てを回避した。
反撃で42ミリ対装甲砲が火を吹く。
貫通力に特化された専用徹甲弾は重装機の正面装甲を容易く撃ち抜く。
西側からはイスラの〈エクィテス・トゥルマ〉が前進し砲撃支援開始。
北側ではナツコが距離を詰め、東側でもリルが観測地点から前進を開始。
南東側からはカリラが距離を詰め、打って出てくる敵機を探しながらも突撃の機会を覗う。
度重なる〈ヴァーチューソ〉の砲撃によって、外壁に大きな突破口が築かれた。
フィーリュシカは開口部から内部へと突入。即座にその場に居た敵集団を殲滅する。
『ツバキ3。強襲成功。
このま区役所内の敵機を殲滅する』
淡々とした報告。
その最中にも42ミリ砲による砲撃は繰り返され、射線を通した敵機が倒れていく。
『わたくしも続きますわ』
勝手に突撃を開始したカリラが告げる。
タマキはそれを咎めなかった。時間が惜しいのでトーコにも強襲をかけさせようと考えていたところだ。
それに、カリラなら上手くやってくれるだろうと妙な確信もあった。
『ツバキ5。突撃は許可。ただし待ち伏せに注意を』
『もちろんですわ!
ですが宇宙最速の〈空風〉に対して待ち伏せなど、無意味ですことよ!』
突撃許可を受けたカリラは最高速度で区役所の正面玄関へと突っ込む。
待ち伏せていた突撃機は居たが、〈空風〉の速度に対して機銃を追従できない。
建物に突入したカリラは状況把握。即座に切り返し、突撃機へ。
機銃の攻撃を全て回避し、距離を詰め0距離から頭部へ銃弾を叩き込む。
瞬く間に制圧は完了した。
そのままカリラはフィーリュシカの居る区画とは反対側へ向かった。
『こちらツバキ8。
敵対装甲騎兵火器、弾切れを確認』
支援砲撃を繰り返しながら、時折飛来する誘導弾を迎撃し、対装甲砲を構える重装機を撃破していたトーコ。
相手からの攻撃はすっかり無くなっていた。
『決着はつきましたね。ツバキ8前進』
『了解』
〈ヴァーチューソ〉が前進を開始。
1階は既に制圧済み。
2階部分ではカリラが戦闘中。フィーリュシカは先行して最上階まで駆け上がり戦闘中。どちらも優勢。
勝負は決していた。
「北側敵機出てきました。迎撃します」
ナツコが観測を続けていた北側から敵機が飛び出してきた。
偵察機〈コロナC型〉が2機。
迎撃許可は直ぐに出たので即座に発砲。装甲の薄い偵察機だ。問題無く撃破。
しかし偵察機を皮切りにして、次々に北側の窓から敵機が飛び出してきた。
「北側敵機増えてます。
現在8機。まだ来ます」
『追い詰めすぎましたね。ツバキ3、北側から外に出た敵機撃破を。
ツバキ6。必要なら後退して構いません』
「はい。後退許可了解です。
でも残って戦っても良いです? この数なら何とか出来ます」
珍しくナツコ側から意見をされて、タマキは一瞬だけ返答をためらう。
『彼女なら問題無い』
返答を躊躇したのを察知したのか、フィーリュシカがそう意見を述べる。
既にフィーリュシカには北側へ向かうよう指示を出している。
彼女の支援範囲ならナツコでも大丈夫だろうと、タマキも納得した。
『了解。ツバキ6、可能ならツバキ3の援護を』
「はい! ありがとうございます!
これから援護に向かいます!」
攻撃許可を得られたので、ナツコは隠れていた建物から飛び出して区役所方面へ向かう。
倒せる敵は倒せるうちに仕留めなければならない。
後回しにすれば、生き残った敵はサンヅキ拠点の、ハイゼ・ミーア基地の、そしてハツキ島の防備につくかも知れない。
故郷を取り戻すのに、これは避けては通れない、やらなくてはいけないことだ。
敵機の前に姿をさらす。
発見されているし、戦術レーダーにも捉えられた。
先行する突撃機群から攻撃を受ける。機銃弾、機関砲弾、対歩兵マイクロミサイルが襲いかかる。
ナツコは頭の中でスイッチを叩いた。
右脳奥の特異脳が演算を開始。
灰色に染まった世界で、認識可能範囲の敵機全ての動きを詳細に把握。
特異脳は演算結果を淡々と告げる。
”攻撃回避可能。敵機殲滅可能”
示された演算結果を見て、ナツコはブースターで加速をかけて敵集団へと邁進した。
「ツバキ6。これより敵集団を殲滅します」
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