第10話 2度目の対戦
「ああそうだ。勝負を始めるのはいいんだが、少し条件を加えたい。」
条件?
「なにそんな難しいことじゃない。相手がまいったと言ったら勝負は終わりだ。」
「???」
どういうことだ?別に普通の勝負と何も変わらないじゃないか。だがノキアはそうは思わなかったらしく…
【つまりそれは、ロードをするなということか?】
ロード?なんだそりゃ?
「そういうこと。俺はまだこいつを失いたくないんでね。勝った方はロードじゃなく、相手になんでもいうことを聞かせるってのはどうだ?」
そう言ってガイは飛んでる少年を指差した。もしかしてロードって、相手を消し去ることを言ってるのか?そういやさっきノキアがアレクを倒したとき、アレクがデータみたいになってノキアに取り込まれてたな。あれがロードか。
【なるほどな。そちらの言い分はわかった。だが、こちらがその提案を飲む必要がどこにある?】
ノキアの質問に答えたのは飛んでいる少年だ。
【ケケケ。俺の固有スキルは『飛翔』。この羽で俺はなんでもできるぜ。】
「どうだい。偵察にはうってつけだろう?そっちはまだこのゲームを始めたばかりみたいだし、情報は多い方がいいぜ?」
「ちょっと待てよ。なんでこっちが始めたばっかって知ってるんだよ。」
「さっきの試合、見させてもらったぜ。あんなたどたどしいプレイをしてるやつが上級者なわけないからな。」
くっ、痛いところついてくるな。っていうかさっきの試合を見てたのか?でも…
「ノキア。さっき見てるオリジンは1人っていってなかったか?んでそいつは手を振ってたやつだって…」
【私が察知できるのはスティアを起動しているオリジンだ。スティアを付けていないオリジンの居場所はわからない。】
…そういうことは早く教えてくれよ。
「で、どうする?」
ガイは腕組みしながらこちらの返事を待っている。うーん、俺はいいと思うけど…
「なぁノキア。いいんじゃないか?確かにノキアは敵の居場所がわかるけど、どんな奴かはわからないだろ?ナイスの力があれば、それがわかるわけだし…」
【…いいだろう。その提案に乗らせてもらう。】
「オッケー。それじゃあ先にまいったと言った方が負けだ。」
よし。これでこっちがノキアが消える心配はなくなった。それに勝っても負けても結局他のオリジンの居場所を知ることができるし、いいことずくめじゃんか。そういやロードされたオリジンはどうなるんだろ?姿が消えたってことは、多分スティアの中に戻ってると思うけど…そこら辺はこの試合が終わったら聞いてみよう。
【ケケケ。それじゃあ始めるぜ。ガイ!】
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