第8話 不穏な影
ノキアはアレクの胴体を両手剣で切り伏せた。アレクは膝から崩れ落ち、姿を消した。
「や、やった!俺の勝ちだ!」
初勝負がオリジン相手でちょっと緊張したけど、無事勝つことができた。
「くっそー!覚えてろよ!今度会ったときはぼっこぼこにしてやるからなー!」
帽子の少年は恨み言をいいながら公園から走り去っていった。あー俺も小学生の時、友達と喧嘩したときは悪口だけいって走り去ってたなー。なんか懐かしい…
【ふぅ。無事倒すことができたな。さて、私はまだ戦えるが、ここは一度引いておこう。】
え?なんで?俺もまだいけるよ?
【先ほどの戦闘でか?相手の急な対応に戸惑い、ただ茫然と見ているだけ。先の戦闘も、私が指示しなければ負けていたかもしれないんだぞ。今回の戦闘で、貴様にはスキルの修練が足らないことがわかったからな。そこいらを鍛えてもらう。】
…そりゃそうだろ。初めての戦闘だったんだし…。というか求めるものが多いんだよ。なんだ?完璧主義者か?
【さぁ何をしている。さっさとここから立ち去ろう。】
なんでそんな急かしてるんだ?ギャラリーも勝った俺らを賞賛してるし、もうちょっとここにいてもいいじゃん。ほら、手を振ってくれてる人もいる。
【いいから急げ。】
はいはいわかったよ。とりあえずギャラリーに手を振っておこう。そうして俺たちは公園から立ち去った。そんな2人を見ている影があることを、アスカは後に知ることになる…
アスカとノキアが立ち去った後…
「どうだった?煉鬼。」
アスカに手を振っていた細目の男がスティアに向けて話しかける。
【どうだったってなにが?】
スティアの中には赤い髪をしたぼさぼさ頭の少女があぐらかいて座っていた。彼女はニタニタしながら男に話しかけている。
「おいおいはぐらかすなよ。僕が聞いているのは、今戦っていたオリジンの実力さ。」
男はため息交じりにもう一度彼女に聞いた。
【さぁ?あたしは横になって寝てたから、詳しくは知らない。】
そういって彼女はあくびをした。男はまたもため息を吐くが…
「なるほど。起きる必要もなかった相手ということか。」
男はそう判断して公園を立ち去った。
【ははっ。あたしは何も言ってないけどね。まぁそっちがそう判断するならいいさ。】
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