第8話
『昨日は保健室へ連れてっていただき手当までしてくださってありがとうございました。
それと今頃なんですが1年くらい前に上履きを職員室まで届けていただき本当にありがとうございました。
届けてくれたのは御手洗くんだと後から知りました。
それでお礼がしたいのですがいつも御手洗くん学食ですよね?
今日のお昼、学食の入口で渡したいものがあるので待ってますね。』
ぽちっ
私はガクガクブルブルしながらメールを送信した。
ようやくこれでひと仕事終えたような感覚でガックリきた。
昨日の夜はいろいろ考えてなかなか眠れなかった。
お礼にデートしましょうとかお礼になってないような気がするし手作りクッキーとかいきなり手作りのものを渡したりするのもなんか怖い気がするし...
結局、学食の食券150円の10枚綴りを渡すことにした。
これならきっと喜ばれることだろう。
返信がこなかったり断られたらどうしようとかいろいろ考えてしまったがとにかくメール送信できた。
(...それにしても冴子はどうしたんだろう)
私は1人バスに揺られて数少ない親友のことを心配した。
「きょんちゃん、おはよう。」
「あ、とこちゃん、オハヨ!あれ?冴子は?」
「うん、いつものバスにこなかった。まだ来てないんだね。」
「そっか、LINEもなんも反応ないねえ。」
「今日、学校休みかな。」
しばらくして私はホッとする。
冴子が来たのだ。
「オハヨー!ところ、今日バスに乗れなくてごめんねえ。」
「ううん、何かあったの?」
「いや、寝坊、わはは。」
「あは、そうなんだ。間に合ってよかったね。」
だけどなんだろう。
この胸のざわつきは。
(剛くんも今頃の時間に学校へ来るんだよね。)
ざわざわのおかけで私は1時間目の授業に中々集中できなかった。
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