加藤弘君の質疑-八
(加藤委員)
ですから先程来申し上げているとおり、コンクリートもアスファルトも永遠に形状を保てるものではない、遮蔽された除染土といえども環境中に流出する可能性が大いにあるので、そういった場合に健康被害が発生したら誰が責任を負うんですかって聞いてるんです。
(廣瀬内閣総理大臣)
私や環境大臣だってさっきから何度も説明してるでしょう。しっかり遮蔽することによって環境中に除染土が流出することは有り得ないんです。科学的に立証されてるんです。
(加藤委員)
ではその化学的根拠なるものがそもそも間違ってるんじゃないんですか。何のために足尾銅山の遊水池の話をしたかご理解いただいてますか。
(廣瀬内閣総理大臣)
足尾銅山の遊水池は古い技術で造成されたものであり、技術的には格段に進歩しておりますので、同様の事態には至らないものと考えております。
(加藤委員)
それでは少なくとも、除染土再利用施設近辺の住民がそこに居住し続けるか、或いは転居するかを選択する権利については、保障されますか。
(廣瀬内閣総理大臣)
公共の福祉に反したり、個人の権利を侵害しない限りにおきましては住居を何処に定めるかは国民の自由であります。
(加藤委員)
いやいや、そうじゃなくて、どの道路で、或いは河川のどの流域で除染土を再利用したか、近隣住民に広報するというようなことはお考えでしょうか。
(廣瀬内閣総理大臣)
再利用される除染土はコンクリートやアスファルトによって厳重に遮蔽されますので、通常の運用を考えてございます。
(加藤委員)
通常の運用という言葉が意味するところはなんでしょう。通常ですと、建設現場などで盛り土を行う際に、当該土砂の産出地を近隣住民に広く告知するようなことはしていないと理解しておりますが、除染土再利用に際してもそのように運用する、ということでよろしいでしょうか。
(廣瀬内閣総理大臣)
委員のご理解で間違いございません。
(加藤委員)
それでは近隣住民は、付近で堤防や道路工事が行われている場合に、そこで除染土が再利用されているかどうかを知り得ないというわけですね。除染土が再利用されているから転居するとか、それとも住み続けるとかを選択する権利は保障されないわけだ。
なるほど、これでは健康被害が発生しても除染土による被害かどうか分かりませんね。因果関係語認められないという総理のお言葉の意味がよく分かりました。ありがとうございました。責任の所在を曖昧にする、いかにも官僚的答弁でした。
テレビをご覧の皆さん、政府は除染土流出に伴う国民の健康被害について、将来にわたり責任の所在を明らかにするつもりも、これを補償するつもりもないんですよ、ということを申し上げて、私の質問を終わります。
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