加藤弘君の質疑-四

(加藤委員)

 最終処分場を見つけるために恐らく相当な苦労をされてるんだろうなとは思います。その点に関しましては苦衷をお察し申し上げます。

 さてこのような高濃度汚染土を最終的に受け容れるとなると、我が国のような地震国家におきましては、受け容れる側に相当の覚悟と施設の整備が求められるわけでありますが、私個人の予想では今後百年待っても最終処分場に立候補する自治体など現れないだろうなと思います。福島県浜通の中間貯蔵施設から汚染土を搬出しなければならない二〇四五年三月までに、最終処分場が決定しなかった場合の措置、或いは責任の所在と言っていいかもしれません。これについて、柴田大臣どうお考えなのか、お答え下さい。


(柴田環境大臣)

 所謂最終処分場につきましては、現在海外も含めてその立地候補地を選定しているところでありまして、国内外問わず候補地が確定すれば国として必要な施設、設備、資金を投入して中間貯蔵施設からこれを搬出することが決定しております。


(加藤委員)

 それでは、そのような努力も空しく最終処分場候補地がそれでも見つからなかった場合はいかがなさいますか。実際、米国と共同でモンゴル人民共和国に最終処分場建設を打診して、あっさり断られたという外交的失態を演じた過去があるわけですから、最終処分場候補地が二〇四五年までに見つからない場合の対応について当然お考えだと思います。いかがでしょう。


(柴田環境大臣)

 そのような事態にならないよう、鋭意候補地を選定して参ります。


(加藤委員)

 ええ、是非見つかって欲しいですね。でも私が聞いてるのは見つからなかったらどうするんですか、ということなんです。質問の意味はおわかりですか。分かるでしょう。見つからなかった場合の対応についてお答え下さい。


(柴田環境大臣)

 そのような事態にならないよう、鋭意候補地を選定して参ります。


(加藤委員)

 いや、ですから見つからなかった場合の対応について聞いてるんです。

 今私が質問しているのは、福島県浜通の中間貯蔵施設に貯蔵されている汚染土の移設先についてなんですけれども、今後本件核惨事で汚染された区域からも除染活動に伴う大量の除染土が出て来ることは確実なんですよ。これは先ほど大臣もお認めになったじゃないですか。間違いないことなんですよ。

 福島第一原発の汚染土の最終処分場が決定しないうちから新たにですね、これを遥かに上回る量の汚染土が出て来ることが明らかなのに、福島第一原発の汚染土についてすら最終処分場が決定しない場合の対応についてはなにも考えていらっしゃらないというふうに聞こえるんですけれども、そういうことでよろしいですか。


(柴田環境大臣)

 そのような事態にならないよう、鋭意候補地を選定して参ります。


(加藤委員)

 いや、ですからね、大臣、いいですか。真摯にお答え下さい。そういう不誠実な答弁はやめてくださいね。最終処分場については中間貯蔵施設に汚染土を搬入し始めてから十年近く経っても決定していない、目処すら立ってない現状があるわけですよ。最終処分場候補地が見つからなければ、そのまま中間貯蔵施設に貯蔵した状態を継続するより他に方法がないじゃないですか。そうなった場合に、誰が責任を取るんですかって聞いてるんです。

 大臣、お答え下さい。


(柴田環境大臣)

 そのような事態にならないよう、鋭意候補地を選定して参ります。(笑い声あり)

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