瘡蓋の月




僕らの惑星ほしの暗さが月を

光を汚してしまう夜

端のほうからじわじわと

僕らの夜に染まる夜

永遠の美しさともいう

あれをすら汚す夜がある


鏡に映る僕らの影は

すこし

瘡蓋に似た色をしている


惑星の暗さは僕らの暗さで

ちょうど人間ぜんぶが載った

影は静かに満月を冒す


僕らの惑星の暗さが月を

夢を汚してしまう夜

端のほうからじわじわと

僕らの夜に染まる夜

永遠の美しさともいう

あれをすら僕らは汚せてしまう


そういうように僕は思って

すこし

気分が良くなったつもりでいる



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