蟹のなかみが白色で、あなたのなかみが赤色で
蟹の胎から死体が産まれる
。無数の魂の結実として彼
と彼と彼と彼達が、潮の雑
じらない真水の末へ片脚を
失くした彼が産み落とされ
てゆく。極彩色の偽物の魚
共が木の上で泳ぐように、
そうして透明の糸が鉛を模倣して、
絡みついて巻きついて抱き着いて、
「愛しています君のことを魚のことを
この指が赤い、赤い指でありたい
二度とはもう辿り着けない赤い国へ
行きたい会いたいけれどもう見たく
もない腐り落ちて腐り落ちて腐り落
ちて繋がれて、いる」 だなんて。
あなたのなかみが赤色で、
蟹のなかみが白色で、
あおい色など何処にもなくて虹色の、
どこが抜けたのか君には分からない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます