ファラオの詩




たくさんのひとが

顔を隠したがっている

やわらかい仮面の下で

悲しみや苦しみに象徴される

あのひややかな安らぎを

一瞬にしたって求めている


事実とは離れていたっていいのだ

冬だから雨は降らない


たくさんのひとが

顔を隠したがっている

まっしろい仮面の下で

罪悪や痛みによく似ている

あのひややかな安らぎを

永遠にしたいと求めている


雨の降らない日に

傘を差すわけにはいかなくて

仕方がないから仮面を着けて

お互い隠したことにしようといって


あのひややかな安らぎを

一瞬にしたって求めている



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