雄鶏がうまれる卵





時計の永遠に廻ることを疑いなく信じられるなら、時の在りかさえ定かでないね。

文字盤には13もの数字があったのだから、当然にすべてが疑わしい。遠近で善悪を示せると、君は本当に信じていたのか。

その仕組みを目にした誰かは死んだから、いなくなったから、罰されたから、殺されたというのに、だというのに。

数えきれないこともない不可思議の歯車たちが、入れ換わっては死んでいく。考えるな!

数えきれないこともない入れ換わって死んだ時計が泥細工でないことを証明できるのは?

死神がもしもいるとするなら、石器時代の続きで永遠を信じているぼくらを、12と6と、9と3を背負って笑うだろう。

ひとつひとつの意味を目にした誰かは死んだから。その隙間を説明できる奴はどこだ?

疑いも無しに君臨するのなら、砂の国へ行った君は二度とは戻らない。知ってるんだろ!

文字盤の真円を、疑いもなくしあわせと信じるのなら。



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