桜/彼方

枯薄ススキの根元にみずよどたまる

サクラの子らは寄り集まって

淀みの上にくるくる遊んだ

やがて一人ひとたり二人ふたたり

籠目のえんを抜け出ては

またねと手を振る素振りも見せず

白い流れに呑まれていった


遊び 流れて

遊び 剥がれて

いつしか茶気た 老婆となって


なるほど海は

彼方の墓か

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