5#風船好きなカラス
ハシブトガラスのジョイはまだ話しを続ける。
「自分は雛の頃から風船が好きだったんだ。風船に飛び方を教えてもらったくらいだ。」
カラスのジョイは、萎んだ風船を嘴の上に毛で覆われた鼻でくんくんとゴムの匂いを嗅いだ。
「風船を嘴で突っついて割るのは爽快だぞ~!拙者なんか200個も割ってきた。間違えて観測気球まで割ったこともあるぜえ!あの時は割れる音が大きすぎてビックリしたけどな。一度やってみな!」
カラスのジョイはそう言うと、ヒヨドリのビアとシラサギのロイにどや顔を見せた。
「何?このカラスは・・・」
ビアとロイは、お互いの顔を見合わせた。
「あ、そうそう!この木の実・・・いや!風船を元に戻したいんだろ?拙者は人間が風船を膨らますのを見て覚えたんだ。膨らましてあげる!せぇ~~~~~~の!!!!!!」
ハシブトガラスのジョイは思いっきり息を吸い込んだ。
ぷぅ~~~~~~~~~~~~~~!!!!!
ぷぅ~~~~~~~~~~~~~~!!!!!
ハシブトガラスのジョイはほっぺたをパンパンにして緑の風船の吹き口から思いっきり息を吹き込んだ。
ぷぅぅぅ~~~~~~~~~~~~!!!!!
ぷぅぅぅ~~~~~~~~~~~~!!!!!
風船がだんだん大きくなりジョイの体と同じくらいに膨らんでいった。
「もういいよぉ、もういいよぉ!」
ビアとロイは叫んだ。
やがて、その膨らんでいく緑色の風船は洋梨状になったとおもうと、突然・・・
パァン!!!!
と風船は激しい音をたてて破裂した。
膨らませていたカラスのジョイも、見ていたヒヨドリのビアとシラサギのロイもビックリした。
「ごめんごめん!後で弁償するからさぁ!」
そこに一羽のオオタカがやって来た。
「この風船どうしたの?」
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