鳥と風船ものがたり

アほリ

1#ヒヨドリ、風船に会う

 ♪ピ~ヨピ~ヨピ~




 よく晴れた日曜日だった。


 ヒヨドリのビアは木から木へ木の実を探して飛び移っていた。


 「今日は朝から何も喰ってない。腹減った~ピ~ヨ」




 ヒヨドリのビアはいつの間にか住宅街の街路樹の木の枝にいた。


 その下ではある店が今日オープンしたばかりで記念にいっぱいヘリウム入り風船を配っていた。


 丁度、ビアの木枝に誰かから手を離れて飛んだ赤い風船が木の枝に引っかかってた。


 「おお~っ!!でっかい赤い木の実がなっとる~っ!ラッキー♪」


 ビアは目を丸くした。


 いっただきま~すっ!


 ビアはクチバシをそのでっかい赤い木の実・・・いや赤い風船にそっとつついた。


 スコッ!はずれ。赤い実はフワフワとゆれるだけ。顔を近づけてもフワフワすぐ動いてつつけない。


 イライラしたビアは両脚で抑えてそのでっかい赤い実を捕まえようとしたら、ビアの重みで下に下がった。


 焦ったビアは脚の爪で赤い実を離れさないようにムギュッとしたら・・・




 パンっ!!!!!




 な、何これこの木の実は。


 ビックリして飛びたったビアは他の街路樹の木の枝に止まった。


 向こうではカラフルな風船の木の実がなっており、奥ではしゅ~という木の実が膨れる音や、今さっきのパン!という音が聞こえていた。


 空には今後は黄色い木の実が高く飛んでいった。


 ビアはあの奇妙な“木の実”に興味が湧いてきた。


 また、木の実・・・いや緑の風船が飛んでいった。


 ビアはその風船を追いかけるため、木の枝から飛びたった。


 「待て~そこの木の実~!」


 ビアの脚はまだ掴んだ風船のゴムの感触が残っていた。

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