第19話 俺は森を進むのみ……

「……職業 脚フェチって……はぁ〜」


女神様……何しちゃってんのよ……えっ? じゃあこれが俺の職業? もしかして、魔導師とか魔法剣士とかさカッケー職業になれない?


「…………」


「……これはある伝説の男の話である……その男は冒険者のトップにして魔王を倒した英雄である……弱きものを救い、強きものは戦い友達になるそんな人の名は……


ケイゴ……女神様からの使者にして……


職業 脚フェチ………」


「…………」


……全て台無しだよ〜!! 全て脚フェチのせいでダメになるじゃん! 最強の脚フェチってなに?!


かっこ悪すぎだろ!……これ変えられないかな?


「……はぁ〜」


俺は木にもたれかかりながら嘆く


「……嬉しいと思います? 女神様……」


「……でも!! でも!! な?! もしかしたらあれだよ……俺専の職業らしいから! もしかしたらなんとかなるかもしれん!」


そう思うことにした


「……てかこの職業どんな効果あるの? 見て見るか……」



職業 脚フェチ


綺麗な脚を好むものがなれる。

全ての脚を見通すもの



「…………………効果ないじゃん!!」


なにが! 全ての脚を見通すだ! 訳わかんないし! これ最弱の職業なんじゃないの?!


俺の異世界生活が……だって俺だぜ?


「……ダメだ……もう俺は無理だ〜……例えカンストしてても……やってける気がしねー……寝よ! 寝よ寝よ! 少しは気が晴れるかも! うん! そうしよ!」


俺は木にもたれかかりながら目を閉じ眠る



「…………」


ん? ここは? 俺は木にもたれかかり脚を伸ばし座った状態でいた……周りは真っ白な世界


「……なんだこの空間……寝たから夢の中だろうけど……」


周りを見渡すと……


「……ん? 遠くの方に何かいる……女の子?」


遠くの方にボヤボヤだが大人と子供の中間だと思われる女の子がいた


「……なんか遊んでる……」


彼女は一人で遊んでいた


「……俺も一人で遊ぶの好きだったけど……あの子なんか少し違うな……」


その子は一人で遊んでいるように見えたが、周りに話しかけながら遊んでいた……


「……周りに何もいねーよな……あの子特殊な子かな?」


彼女はその見えない相手たちと思われるのと遊んでいるようだ……


「……俺もそういう人に昔、友達になってたが……理解はしてあげられなかった……」


俺は友達が作るのが小さい時は得意でよくやんちゃしていた……学校には特別な人たちが通うクラスがあるのを知っているだろうか? 俺はそこに遊びに行き友達が出来た……今思えば俺はなぜそんなことしてたんだろうかと不思議なのだが……そんな昔の俺が……好きだ


「……遠くすぎてよく聞こえんな……」


何故だろう遠くにいるのに……彼女の声が聞こえる……


「あはははぁ♪」


楽しそうだ……


「うわぁー♪ 今度はこっちの番ね! えぇーい♪」


か、かわいい


「みんなして私をねらうのずるい!♪ むー!」


おれもねらっていい?


「わぁーい♪ レッちゃんの負けー♪ 次はミッちゃん!」


お! レッちゃん負けたようだ、ミっちゃん逃げろー♪


「ミっちゃん! 今当たった! 当たったよー♪」


ミッちゃんやられちゃったわー強いなあの子


「あっ……負けちゃった」


あー負けちゃった……ドンマイだな少女よ


「ねぇ! 次はあれしよー♪」


遊び変えるみたいだな……何してたんだろ


すると……頭に響く


「学校いってみたいな……」


俺はそこで意識が覚醒した


「……んんん、今のは夢だよな……」


「………最後」


彼女は俺の妄想なのだろうか? それにしてはリアル感が凄かったけど……俺はロリコンだな


だって俺だぜ?


「……まぁっ? いいか……」


俺は妙な気持ちになりながらもその場を立った


「……よし! 休憩したし泥人形探すか……」


俺はまた森を進む……とはいかなかった


「……ん? なんかあそこにいる?」


俺の寝ていた木の近くで歩き出そうとした方に……泥まみれの人が倒れてた


「……え? やばくね?」


おいおい! どうする! 泥まみれで倒れてる! まずは助けなきゃ!


「………」


俺はその泥まみれに近づく


うつ伏せで倒れてる……


「……大丈夫ですか!」


俺は大きな声を出して、肩を叩く


「……意識は……なさそうだ……」


「……こういう時は……そうだ! 呼吸してるか確認だ! ……まずは仰向けにしないと」


俺は泥まみれを仰向けにした……


「……せーのっ! よしこれ………で……」


「…………」


そこには……目と口のない人ならざる者がいた


「……ぎゃーーー! もも、ももしかして……」


俺は尻餅をつき


「……こいつが泥人形」


するとその泥人形が……


「……!!」


こちらに顔を向けた


「うわぁーーー! こっち見るな〜」


俺の声が森に響いた……だって俺だぜ?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る