裏話

「はぁ……マジでないわー」


 バルドが、お気に入りの様子を見て愚痴った。

 そう。デートをし始めた“消”能力者を見て。


「まぁまぁそう言わずに。あなたの所の他の人たちが戦ってますよ」


 ケリュセスが言う所を見ると、そこには先程まで一般人女性に手を出していた2人組が他の2人組と戦っている姿があった。


「なぁかなか能力を上手く使ってぇいるのではないでぇすか?」


 ミネブルもその戦いを見て、興味を示した。


「ですが〜1人だけ役立たずの方もいるのですよ〜」


 クリフィナがそう言って見ているのは“逆”能力者の相方、“映”能力者だった。


「まぁまぁそう言いなさんな! 敵の能力を自身に反映させる能力は一見強そうだが、使い方が分からない事が多々あるようだぞ! ガッハッハッ!」


 役立たず発言をされた能力者を庇うかのように恭爾が言った。

 それに同意するようにフェンジドラも頷いて言う。


「……恭爾の……言う通り……模倣する能力……扱い難しい……」


 そんな会話をフル無視した声がバルドの後ろから聞こえてきた。


「おい! なんか凄いものを創ってる奴が蝶來のところにいるぞ!」


 その声の主はベンドラだった。

 皆、ベンドラに抗議の目を向けるが、ベンドラと同じ光景を見た後、感心した。

 そこには地下街が広がっていたのだ。


「あ、でもあの憎たらしい方が入ってしまってますよ」

「地下街、破壊、悲」


 ジルノールがとある能力者を見て、憎たらしそうにした。

 蝶來もその能力者を見ると、地下街が潰される事を察知し、悲しそうになった。


「誰だよアイツ参加させたの」


 バルドのその一言の後、視線を集めたのは蝶來だった。

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