生死を分けるは一文字より

裏話

　ようやく12:00となり試合が始まった。

　試合が始まったことに対して喜びを隠しきれないバルドは声高に言った。

「ようやく試合が始まった！　この時を待ってたんだよ。ケリュセスお前もだろ？」

「確かにそうですがバルド、あなたほどではないですよ」

　ケリュセスはバルドの呼びかけに真面目に答える。

　皆それぞれ試合の様子を見ている。

　試合の様子を一番はじめに言い出したのはクリフィナだった。

「まずはぁ皆さん仲間探しからはじめましたねぇ」

　神の遊戯参加者の多くは、仲間となってくれそうな能力者を探し始めていた。

　そのうちの1人を見て恭爾が言った。

「お？　あいつら早速仲間になったようだな！　良い良い！　ガッハッハッ」

　恭爾の笑い声に対し、迷惑そうな顔をしたジルノールが文句を言った。

「恭爾、前から思っていましたが、あなたは語尾に『ガッハッハッ』という笑いをつけないことは出来ないのですか？」

　ジルノールの意見に賛同する蝶來とフェンジドラがあとに続く。

「同意見」

「……キャラ……作り？」

　3柱からの口撃に何も感じていないのか、全く声の調子を変えることなく恭爾は返答した。

「ふむ、そう思われておったのか。だがな、自然に出てしまうのだ！　癖だな！　ガッハッハッ」

　恭爾達のやりとりなど一切気にしていない様子でミネブルは遊戯参加者達を見ていた。

「ふぅむ、あぁの方々はやぁたら親密なのですねぇ」

　ミネブルと同じく遊戯参加者達を見ていたベンドラは思ったことを言った。

「だが、ああいうヤツらほどやられやすいのだ」

「分かってるー！　ベンドラちゃん！」

　ベンドラの意見に便乗したのは、テンションの高いバルドだった。

「我々に性別という概念はないが、話し方や思考タイプ的には下界では俺は男だぞ！　ちゃんを付けるなバルド！」

「はいはい」

　ベンドラに叱られたバルドは反省した様子もなく、遊戯の様子を見始めた。