第1章 第1節 『絶望』

「どんな奴らがいるんだろうな?楽しみだな!」

と、言っているのは茶髪で短髪の神童 快斗だ。

「そうね。晴也はどうなの?」

と、相づちを入れているのが黒髪を後ろで束ねてポニーテールにしている白崎 葵だ。

「僕は、楽しみすぎて昨日ほとんど寝られなかったよ!」

「おいおい、子供の遠足じゃねーんだぞ」

「いいじゃない。可愛らしくて」

……少し心にきた。

「なんだよ!2人は楽しみじゃなかったのか!?」

「いや、まぁ楽しみであったけど…検査の事考えるとな〜」

「そうよねー。もし、使い物にならないものだったら嫌だし。」

「あ゛………忘れてたぁぁぁぁ!」

そう、この学園では入学式の後、魔法を使う時に有利不利を決める固有魔法と魔法適性を調べる検査があるのだ。


固有魔法・・・魔導士一人につき3種類持っている魔法。

魔法適性・・・魔導士一人につき3〜5種類持っているもの。


入学式が終わり検査の時間がやってきた。

「俺は逸材だと、いろんな人から言われているからな。格の違いってのを見せてやるよ!」

確か彼は同じクラスの帝 柊聖だ。

「は〜い、みなさん。よく聞いてください〜い。男子は右の部屋に、女子は左の部屋に入ってくださ〜い。」

部屋の中には色々な魔導具があった。

「あれが固有魔法と魔法適性を調べる魔導具か。」

「そうみたいだね。」

列の前の人から順に検査をしていく。

「やっぱり俺は逸材らしいぜ!見ろよ、俺の固有魔法と適性を!」

そこには、こう書かれていた。


固有魔法・・・『雷属性魔法』

『聖属性魔法』

『防御魔法』


魔法適性・・・『雷属性魔法適性』

『聖属性魔法適性』

『防御魔法適性』

『闇属性魔法適性』


「すげー!3大魔法の雷属性魔法じゃん!しかも固有魔法以外の適性も持ってるとか、マジで逸材だよ!」


3大魔法・・・雷属性魔法、氷属性魔法、火属性魔法のこと


「ねぇ、快斗。固有魔法以外の魔法適性があることなんてあるの?」

「ああ、稀にあるらしい。」

「そうなんだ。あ、次、快斗の番だよ」

「じゃあ、行ってくるわ」



「おかえり、どうだった?」

「なんか、すごいことになってた」

「どれどれ?………は?」

快斗のにはこう書かれていた。


固有魔法・・・『雷属性魔法』

『氷属性魔法』

『火属性魔法』


魔法適性・・・『雷属性魔法適性』

『氷属性魔法適性』

『火属性魔法適性』

『防御魔法適性』

『回復魔法適性』


「快斗……君は天才を超えてるよ…バグキャラだよ…」

「ん?なんか言ったか?それより、お前の番だぞ、晴也。」

「うん、行ってくるよ」

……あんなの見た後だと自信なくなるな


「お、おかえり。どうした、そんな暗い顔して。」

「・・・」スッ

「ん?見ろってか?……そ、そんなに気を落とすなよ。俺が教えてやるからよ。」

「……ありがとう」

僕のにはこう書かれていた。


固有魔法・・・『生成魔法』

『身体強化魔法』

『時幻魔法』


魔法適性・・・『生成魔法適性』

『身体強化魔法適性』

『時幻魔法適性』

『雷属性魔法適性』

『全属性耐性』


「晴也、そろそろ機嫌直せよ。」

「快斗、何があったの?」

「お、葵。晴也の固有魔法と適性がな……」

「……は、晴也!時幻魔法ってとても珍しい魔法だし、魔法適性も最大の5つだったんでしょ?自信持って!」

「葵、時幻魔法なんて魔法どう使うんだよ。それに、遠距離系魔法が主流の現代で身体強化じゃ生きていけないじゃないか。……僕、今日はもう帰るよ。」

「そうか、明日もちゃんと来いよ!」

「また明日ね、晴也!」

「そういや、葵はどうだったんだ?」

「まぁ、普通かな。」

葵のにはこう書かれていた。


固有魔法・・・『回復魔法』

『聖属性魔法』

『付加魔法』


魔法適性・・・『回復魔法適性』

『聖属性魔法適性』

『付加魔法適性』

『氷属性魔法適性』




生成魔法・・・周りにある物質をある形に構成する。範囲は魔力量に比例する(魔力消費∞)


身体強化魔法・・・使用魔力に応じて身体能力を向上させる(魔力消費∞)


時幻魔法・・・魔力量に応じて時間を止め、相手に幻覚を見せる(魔力消費絶大)

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